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緑色を帯びた常夜灯の明かりに浮かぶ病院の廊下を、なるべく足音を立てないように私は自分の病室へと急いだ。
急ぐのよ、そして音を立てては駄目。見回りの看護士さんに見付かったら怒られる。
敦子ちゃんは何で言う事聞いてくれないのかな?――って。
でも、今回は仕方ないじゃない。誰かの悪戯なのか、目が覚めたらこの病院の地下一階に居たんだもの。
おまけに時間はすっかり夜。晩御飯も食べ損ねちゃったわ。殆ど寝た切りでお腹が減ってない所為なのか、いつも美味しくないご飯だけど、食べてないと思うと飢餓感が湧いてくる。こんな事ならお見舞いのお菓子、食べてしまうんじゃなかったわ。尤も、夜中にお菓子食べてる所なんか見付かったら、また怒られちゃうけど。
けど、私が病室に居ないのに捜しに来てもくれないなんて、随分薄情じゃないかしら?
病室のある三階へのエレベーターはナースステーションの真ん前。こんな時間に動かしたら、夜勤の看護士さんに気付かれる。仕方なく、私は病棟の端にある非常階段を上る。
不思議と、苦しくならない。
入院する前なんて、一階上っては休んで呼吸を整えていたのに。
何だ、これなら病気なんて、もう直ぐ治っちゃいそうだ。そう思うと、足取りは尚更軽くなった。
三〇一号室――それが私の病室だった。
筈だ。
その個室のネームプレートには、私の名はなかった。
代わりに、知らない人の名前が書かれている。
私は何度も、三〇一という病室番号を確認した。辺りは暗いけれど、常夜灯のお陰で読めない程じゃない。
間違いなくそこは三〇一で、間違いなく、誰か別の人の名が記されていた。
きっとこれも、私を地下に運んだ人の悪戯の一環なんだわ。きっと何処からか見ていて、部屋を失くした私が泣くのを待ってるんだ。だったら、泣いてなんてやらない。
私はそっと、ドアの取っ手に手を掛けた。もし、この中に誰か居るのなら、それは悪戯の犯人か、その仲間に違いない。だって、此処は私の部屋だもの。他の誰が居るって言うの?
出来るだけ静かにドアを開けて、私は病室へ入った。
でも、このドアは前から滑りが悪くて、途中でがくん、って引っ掛かるの。今回もやっぱり引っ掛かって、ちょっと、音を立ててしまった。
と、その音で起きたのか――それとも私が戻って来るのを待ち構えていた?――誰かがベッドから身を起こした。
窓からの月明かりに浮かぶ、知らない女の子の顔。
その子が私を見て――悲鳴を上げた。
丸で、幽霊でも見たかの様な……凍り付いた、悲鳴。
それからは大変だった。
夜勤の看護士さんが飛んで来て、女の子を宥める。病状の急変を心配したんだろう、先生や他の看護士さん達もやって来た。
でも、誰も私を見ない。丸で、此処に居ないみたいに、皆、思わず脇に避けた私の横を摺り抜けて行く。
それで、私は悟った。
ああ、私は本当はもう此処には居ないんだ、と。
女の子の反応は正しかったのだと。
やがて落ち着きを取り戻した彼女は、悲鳴の訳をこう説明した。
「あたしと同じ位の女の子が、ドアの所に立ってたんです。でもその子、姿が透けていて……。怖くて……でも寂しそうな顔、してました」
うん……寂しいよ。
病気だった。自分が長くは生きられないかも知れないのは聞いていた。
でも……やっぱり寂しいんだよ。前も、寂しいから、気を引こうとして看護士さん達がやっちゃいけないって言う事を態とやったりもしていた。でも、もうそれでも看護士さん達は誰も私を見てくれないんだ……。
だから……マタ来ルネ?
君ト一緒ニ遊ベルヨウニナル迄。
―了―
や、今日は朝から寒かったっす★
大丈夫だ 問題ない^^v
なんか、体が透けているけど?
大丈夫だ 問題ない^^v
病室に名札が、無いんだけど?
大丈夫だ 問題ない^^v
入ったら、悲鳴を上げられたのよ!
大丈夫だ 問題ない^^v
大丈夫だ 問題ない^^v
大丈夫だ 問題ない^^v
さしたる根拠は無いけれぇ~どぉ
そのうち、何とかなるでしょうぉー♪
おやすみー^^/
大丈夫だ、問題ない(笑)
……ホントか?(^^;)
問題ないっすか(笑)
夜中に一階にしか無い自販機に行った事は度々ありますが(^^;)