〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
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「この残暑厳しい最中に、何で毛布被ってんだ、お前は」俺は出迎えてくれた友人の姿に呆れ、声を上げた。
「いや、この間から寒気が治まらなくて……」
「何だ? 夏風邪か? 熱でもあるのか?」額に手を当ててみるが、特に高熱は感じられなかった。「そんな事してたら、熱中症で倒れちまうぞ?」
「でも……寒いんだ……」友人はその身に毛布をきつく巻き付け、玄関先に蹲ってしまった。
「おい、大丈夫なのか?」尋ねつつも、大丈夫じゃない、と俺は思った。
そう言えば熱中症でも、感覚が狂ってしまうのか、言動がおかしくなる事があると聞く。そこ迄行くとかなりの重症で、命の危険さえ生じる。
俺は慌てて救急車を呼ぼうと、携帯を取り出した。
と――。
「あ……」俺の手にした携帯を見上げて、友人が声を上げた。
「どうした?」一つ目の1のキーを押した儘、俺は尋ねた。
「そう言えばお前にあの写メ貰ってからだ。寒気がし始めたの」
「写メ?」
「ほら、お前がこの間どっかの心霊スポットに行って来たって言って、要らないってのに送って来たじゃないか。何か窓硝子の向こうにぼんやりした顔っぽいものが写った写メ。あれ以来だよ、確か!」
「ああ、あれか。どうせ影がそんな様に見えただけだろうけど、何かお前に送んなきゃいけない様な気がして、送ったんだ。そんな気にする程のもんじゃないだろ。俺なんてこの待ち受けに……うわっ!」俺は慌てて携帯を放り出した。
小さな画面の中、懐中電灯に間接的に照らし出された窓の向こう、本当にぼんやりと写っているだけだった筈の顔らしきものが――はっきりとした恨みがましい表情の女の顔となって、画面一杯に広がっていた。
然も、俺は既にキーを押していた。当然待ち受け画面ではかった筈なのに。
俺と友人が慌てて画像を消去して、寺に駆け込んだのは言う迄もない。
それにしても、何故写メを撮った俺ではなく、送り付けられただけの友人に影響が出たのか?
「きっとお前が鈍いんで、俺の方にとばっちりが来たんだよ」お祓いの効果か回復し、暑い暑い、と毛布を放り出した友人がぼやいた。
そうなのかも知れない。
只少し気になるのは、俺はあのスポットに行かなきゃいけない気がして行ったという事と、写メを奴に送らなければいけない気がして、送ったという事だ。
もしかしたら、あの画像を奴の所に届ける為に、俺は呼ばれたのかも、知れない。
そう言えば、あの時慌てて放り出し、直ぐ様消去したあの顔は、この所姿を見ない、奴の彼女に似ていた。
―了―
未だ未だ昼間は暑いっすねー(--;)
「いや、この間から寒気が治まらなくて……」
「何だ? 夏風邪か? 熱でもあるのか?」額に手を当ててみるが、特に高熱は感じられなかった。「そんな事してたら、熱中症で倒れちまうぞ?」
「でも……寒いんだ……」友人はその身に毛布をきつく巻き付け、玄関先に蹲ってしまった。
「おい、大丈夫なのか?」尋ねつつも、大丈夫じゃない、と俺は思った。
そう言えば熱中症でも、感覚が狂ってしまうのか、言動がおかしくなる事があると聞く。そこ迄行くとかなりの重症で、命の危険さえ生じる。
俺は慌てて救急車を呼ぼうと、携帯を取り出した。
と――。
「あ……」俺の手にした携帯を見上げて、友人が声を上げた。
「どうした?」一つ目の1のキーを押した儘、俺は尋ねた。
「そう言えばお前にあの写メ貰ってからだ。寒気がし始めたの」
「写メ?」
「ほら、お前がこの間どっかの心霊スポットに行って来たって言って、要らないってのに送って来たじゃないか。何か窓硝子の向こうにぼんやりした顔っぽいものが写った写メ。あれ以来だよ、確か!」
「ああ、あれか。どうせ影がそんな様に見えただけだろうけど、何かお前に送んなきゃいけない様な気がして、送ったんだ。そんな気にする程のもんじゃないだろ。俺なんてこの待ち受けに……うわっ!」俺は慌てて携帯を放り出した。
小さな画面の中、懐中電灯に間接的に照らし出された窓の向こう、本当にぼんやりと写っているだけだった筈の顔らしきものが――はっきりとした恨みがましい表情の女の顔となって、画面一杯に広がっていた。
然も、俺は既にキーを押していた。当然待ち受け画面ではかった筈なのに。
俺と友人が慌てて画像を消去して、寺に駆け込んだのは言う迄もない。
それにしても、何故写メを撮った俺ではなく、送り付けられただけの友人に影響が出たのか?
「きっとお前が鈍いんで、俺の方にとばっちりが来たんだよ」お祓いの効果か回復し、暑い暑い、と毛布を放り出した友人がぼやいた。
そうなのかも知れない。
只少し気になるのは、俺はあのスポットに行かなきゃいけない気がして行ったという事と、写メを奴に送らなければいけない気がして、送ったという事だ。
もしかしたら、あの画像を奴の所に届ける為に、俺は呼ばれたのかも、知れない。
そう言えば、あの時慌てて放り出し、直ぐ様消去したあの顔は、この所姿を見ない、奴の彼女に似ていた。
―了―
未だ未だ昼間は暑いっすねー(--;)
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Re:きょうはきゃらめ
毛布みたいな携帯ってどんなんだ(--;)
Re:こんばんわ~
全く、夜霧のコメントは……(--;)
友人、何やらかしたんでしょうねぇ( ̄ー ̄)
友人、何やらかしたんでしょうねぇ( ̄ー ̄)
Re:無題
少しでも涼しくなれば幸いにゃ♪
Re:(__;)
何でしょうね……?(--;)
凸り過ぎて、モッコモコになった携帯?(爆)
凸り過ぎて、モッコモコになった携帯?(爆)
Re:こんばんは
何か波長が合ったのかも知れない(笑)
それか、直接お呼びを掛けたら、こいつ来ないしー、とか(^^;)
それか、直接お呼びを掛けたら、こいつ来ないしー、とか(^^;)