〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
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「連れて行かないで!」そう叫ぶ女を置き去りに、小舟は出て行く。
襤褸布を頭からすっぽりと被った船頭と、蒼白い顔で濡れ鼠になった一人の男を乗せて。
「どうして? どうして連れて行くの? いつもいつも……!」
女の問いに、船頭は少しだけ、棹を操る手を止めた。
「どうしてって、これがわしの仕事さ。この男はもうこの世に居られない――死者だからな。それを渡すのがわしの仕事だ」
「そんな……! じゃあ……どうして私を連れて行ってくれないの!?」そう言う女の顔は蒼白く、水に濡れた髪も服も、最早乾く事はない――彼女もまた、死者だった。
船頭は溜息をつき、彼女の足元を指した。
「それは、あんたが寂しさからか呼び込んじまった――この男の様な――犠牲者の恨みが重石となっているからさ」
女は未だ、独り、水際に立っている。
―了―
お見舞いコメント下さった皆様、有難うございますm(_ _)m
何とか復帰(?)
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Re:無題
うみゅ。私もこんな感じの、多い様な気がする(^^;)
プラシーボ(笑)
偽薬と自覚している時点で効果が疑わしい様な(^^;)
プラシーボ(笑)
偽薬と自覚している時点で効果が疑わしい様な(^^;)