〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
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昨日は月夜とそのストレスへの対処についての授業を受講する心算だった。ところが生憎と、山麓に住む特別講師を勤める男が来られなくなってしまった。
それで今日、夜霧が漂う森の中、聞き分けのない自らの性を抑え切れなかった俺の胸に銀に煌く弾丸が的中し……付近の村一帯を恐怖に陥れていた狼男――詰まり俺は、退治された!
ちくしょう……。昨日、この月光を浴びての抗い難い高揚感を少しでも抑える術を聞いていたなら、俺は……。
何故来なかったんだ、特別講師の野郎……?
薄れ行く意識の中で、俺はハンター達の言葉にふと、耳を囚われた。
「これで昨日殺された麓の爺さんも浮かばれるだろう」
「ああ、若い頃から変わった男で、一時は奴が狼男なんじゃないかって噂迄立っていたが、選りによってその本物の狼男に殺されるとはな。歳食ってからはすっかり周りにも馴染んでたってのに……。気の毒なこった」
「まぁ、これで一安心さ。墓にもそう報告しとこうぜ」
「そうだな」
ちくしょう……。昨日襲った爺さんが……。
自業自得という奴か。
だが――と、俺は未だやや裂けた口の端で笑う――安心するのは未だ早い。
だって、少しでもこの魔性を抑える為にと集まって授業を開ける程、俺達の仲間は居るんだぜ?
ほら、森の中から、俺を弔う低い唸り声が聞こえてくるだろう……?
―了―
周回遅れ(笑)
流石に夜霧先生ネタも続くと飽きる(私が・笑)
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