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「全く困った怠け猫だな」
「本当にね。毎日うろうろしてるか寝てるばっかりで……」
「ちっとも鼠を捕りゃしない」男は嘆息する。
農場の飼料を食い漁る鼠除けにと知人から白い毛並みの猫を譲り受けたのだが、これが何とも、働かない。
子供達と遊んでいる様を見れば、決して猫としての身体能力、運動能力に問題がある訳でないのは判る。食欲も旺盛で、病気の心配もなさそうだ。
「子供達が餌を上げ過ぎなんじゃないのかい?」と、女房は言った。「餌を捕る必要がなきゃ、そりゃ鼠も捕らなくなるかもねぇ」
だが、子供達は最初に親が定めた分しか、餌は与えていないと言う。おやつも上げたいけど我慢しているのだと。しかし、その通りだとすれば、白猫はやや空腹な位だと思うのだが……。
今日も白猫は農場北東の僅かな日溜りで、満足そうに香箱を作って大きな口で欠伸をしている。
元々小食なのだろうか、単に怠け者なのだろうか?――男は溜息をつきながらも、仕事に戻って行った。
「話しても信じないよねぇ?」未だ未だ舌足らずの声で妹は兄に言った。「この子が別のもの食べてる、なんて」
兄は頷く。実際、自分達の目で見ていなかったなら、信じられなかっただろう。見ていてさえも、信じ難いのだから。
北東の方角から来る、妖しげな黒い影の様なモノを、片っ端から食べているなどとは。
「あれって、何なんだろうね? お兄ちゃん」
「多分……よくないモノ、だと思うよ」
北東の方角は昔から鬼門と呼ばれ、悪いモノが入り易い――そんな事を言っても小さな妹には未だ解るまいと、兄は只それを「よくないモノ」と呼んだ。
ともあれ、白猫がそのモノを食べてくれるから、農場には大した災いがないのだと。
鼠は多少、出るものの。
農場の怠け猫は今日も何かを、狩っている。
―了―
果たしてうちの白猫は……?(--;)
毒を以って毒を制す、魔を以って魔を制す――それで言うと最強(凶?)の魔除けかも知れん(笑)
本当に取ってっちゃうの?(^^;)
油断大敵にゃ☆
まぁ、ネタにはなってるから、役立ってるのかなぁ(^^;)
今度是非決定的瞬間を!