[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
入梅とは名ばかりの青空に、友樹はそっと溜息を漏らした。
梅雨入り宣言が出されてから、雨が降ったのはほんの二、三日。それから数日、空梅雨が続いている。
この分では今年の夏も、各家の田畑に回される筈の溜め池の水が不足するかも知れない。この山村での農作業には、小さな川と溜め池の水、そして井戸水が頼りだと言うのに。
それに、友樹の家の裏の小さな池も、干上がるかも知れない――それが何よりも、彼には憂鬱だった。
中学校から家に帰り着き、自室に鞄を置くと、友樹は縁側からゴム草履を突っ掛け、家の裏手に回った。
築五十年という古い日本家屋の裏に、こんもりとした林。鬱蒼と葉を茂らせた木々の根元に、直径三m程の池があった。
風で舞い落ちた葉や小枝が浮かび、藻が繁殖した池は視界が悪く、お世辞にも綺麗とは言えない。深い緑色を帯びた水の底に何かが潜んでいそうで、彼は子供の頃、周囲の大人に注意される迄もなく近寄らなかった。
こうして様子を見守るようになったのは三年前、やはりこんな空梅雨の後の、夏休みだった。
水を頂戴――そう言われた気がして、宿題のドリルから顔を上げた友樹は、当時小学五年生だった。
知らない女の声だと思ったが、彼は一応、その時家に居た母と姉に声を掛けた。何か言ったか、と。二人の女性は首を横に振り、彼は首を傾げた。
暑さとなかなか終わらない宿題の所為で幻聴を聞いたのだろうか。そう思ってまたドリルに目を落とすと、再び、然も耳元で――「水を頂戴」
異様に近く、そしてはっきりと聞こえた声に、彼は飛び上がらんばかりに驚き、座った儘、その場から後退った。振り返った先には、しかし誰も居ない。
だが、はっきりと聞いた!――突然の慌て振りに訝しげにしていた母と姉に、彼は訴えた。誰か解らないが女の声が聞こえたのだと。
二人の女性は顔を見合わせ、ああ、と互いに頷いた。
「今年は空梅雨で、水不足だからねぇ」母は、彼に庭に出るように言った。
訳が解らず、それでも縁側から庭に降りると、今度はゴムホースを渡された。
「家の裏手の洗い場、解るね。あそこの蛇口に繋いで。あそこからならぎりぎり、届くから」
目を瞬かせ、何処にと問うた彼に、母は答えた。裏手の池に、と。
「少しでもいいから、水を足しておあげ。それで気が済むから」
誰の、という問いには、話が長くなるから先に水をと急かされ、答が得られなかった。
訳が解らぬ儘、友樹は裏の池に水を入れ添えた。
その後、母と姉から聞いた話では、あの池には昔、美しい娘が身を投げたのだと言い伝えられており、花の顔をしゃれこうべと変えたその姿を見られたくないが為に、池の水が干上がり、底が覗くのを恐れているのだと言う。
「この家の男にだけ、訴え掛けて来るらしいから……これからも気を付けておいておあげ」これでも女だから、醜い姿を見られたくない気持ちは解るのだと、女達は妙にその娘に優しかった。彼女達にはその声も一切、聞こえないらしいのだが。
「でも、どうしてこの家の男だけに……?」友樹は訊いた。
「何でもね、その娘が身を投げたのは、この家の男に裏切られた所為だって話よ。だから……もしも声を無視して、挙句に水が干上がったりすると……」
「……すると?」
「お祖父ちゃんが亡くなったのも、確かこんな夏だったわね」母はそう言って、縁側から白茶けた庭を見遣った。「お祖父ちゃん、こういうの信じない人だったから……」
以来、友樹はこんな雨の降らない梅雨を迎えると、憂鬱な気分になるのだった。
―了―
今年の夏はどんな感じでしょうねぇ?
うーん、なんてわがままな娘だw
仕方ないから、注水はセンサーつけて自動給水にしてあげましょう^^w
これで、常に一定量の水が池に溜まるはずだぁー^^vv
それにしても、この娘はチャームポイントを作り出すことを知らない><;;;
ばっさり出せば、すっきりくっきり、チャームポイントになるという、オードリー・ヘップバーンのエラの法則を知らないのかな?><;コマッタモンダw
ささ、勇気を出してばっさり出してみよう^^/
。。。キャーーーー!(((((((((((( ><;
ではではー^^;w
や、彼女は色白美人ですよ、きっと(^^;)
そりゃあもう、骨の様に白い……って、骨だ!
ん? この家の男子が絶えたらどうするんだろ?^^;