〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
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夕暮れにあの道を一人で歩いていると、後ろから何かがついて来る足音がする――そんな噂を思い出して、ふと桐子は脚を止めた。目の前には十字路と、その先に真っ直ぐ伸びる道。これから彼女が帰る道。
「転入早々にそんな話聞かせなくったって……」桐子は口を尖らせた。
家の都合で転校して来た中学校。この転校初日にそんな話を聞かせてくれたのは少し悪戯っ子めいた男子だった。
家はどの辺?――そんな他愛もない話の流れで上った話題だった。
気にしない方がいい、と隣の席の女子は言った。あいつ、少し意地悪なのよ、と。
けれど、噂の存在そのものは否定しなかった。所詮噂よ、と笑ってはいたが。
生憎とこちら方面に帰る生徒は部活があったりで、一緒に帰る相手は居なかった。遠回りして迄一緒に帰って貰うのも、部活の終了を待つのも、怖がりだと笑われそうで憚られた。
仕方ない。大丈夫よ、夕暮れには未だ間があるし――彼女は十字路を越え、件の道に一歩、足を踏み入れた。
道の両側は高く長い柴垣。どこの敷地なのか、垣根の向こうには木々が植わり、更に視界を狭くしている。
早く通り抜けてしまおう。桐子は足を速めた。
半ば迄進んだ時だろうか。
ふと、背後からぺたり、と音がした様な気がして、彼女は立ち止まった。丸で裸足、それも水に濡れた足の音。
気の所為だ――そう思いつつ、彼女は振り返った。誰も居ない。道には彼女一人だ。
怖がっているからそんな気がするだけだと、桐子は微苦笑して、再び歩き始めた。
ぺたり、ぺたり……。
「!」今度は確かに連続した足音だった。一瞬ぎくりと動きを止めた後、桐子は後ろも振り返らず、走り出した。
自分の靴音と、乱れた呼吸音に混じり、濡れた足音がついて来る。
「いやぁ……!」悲鳴を上げた直後――背後からの足音が止んだ。
代わりに聞こえてきたのは道の先から彼女を呼ぶ、両親の声だった。
「夜になっても帰って来ないから、道に迷ったんじゃないかと心配したわよ」
それで捜しに来たのだと言う両親に、桐子は茫然と空を見上げた。
道に入ったのは夕暮れにも間がある程だったと言うのに、今見れば空には満月が浮かび、星が煌いていた。
「私……何時間、あの道に居たの……?」
当然ながら、翌日から彼女は登下校の道順を変えた。
―了―
何か中指の先が痛い(--;)
棘が刺さってる風もないんだけどな~。
「転入早々にそんな話聞かせなくったって……」桐子は口を尖らせた。
家の都合で転校して来た中学校。この転校初日にそんな話を聞かせてくれたのは少し悪戯っ子めいた男子だった。
家はどの辺?――そんな他愛もない話の流れで上った話題だった。
気にしない方がいい、と隣の席の女子は言った。あいつ、少し意地悪なのよ、と。
けれど、噂の存在そのものは否定しなかった。所詮噂よ、と笑ってはいたが。
生憎とこちら方面に帰る生徒は部活があったりで、一緒に帰る相手は居なかった。遠回りして迄一緒に帰って貰うのも、部活の終了を待つのも、怖がりだと笑われそうで憚られた。
仕方ない。大丈夫よ、夕暮れには未だ間があるし――彼女は十字路を越え、件の道に一歩、足を踏み入れた。
道の両側は高く長い柴垣。どこの敷地なのか、垣根の向こうには木々が植わり、更に視界を狭くしている。
早く通り抜けてしまおう。桐子は足を速めた。
半ば迄進んだ時だろうか。
ふと、背後からぺたり、と音がした様な気がして、彼女は立ち止まった。丸で裸足、それも水に濡れた足の音。
気の所為だ――そう思いつつ、彼女は振り返った。誰も居ない。道には彼女一人だ。
怖がっているからそんな気がするだけだと、桐子は微苦笑して、再び歩き始めた。
ぺたり、ぺたり……。
「!」今度は確かに連続した足音だった。一瞬ぎくりと動きを止めた後、桐子は後ろも振り返らず、走り出した。
自分の靴音と、乱れた呼吸音に混じり、濡れた足音がついて来る。
「いやぁ……!」悲鳴を上げた直後――背後からの足音が止んだ。
代わりに聞こえてきたのは道の先から彼女を呼ぶ、両親の声だった。
「夜になっても帰って来ないから、道に迷ったんじゃないかと心配したわよ」
それで捜しに来たのだと言う両親に、桐子は茫然と空を見上げた。
道に入ったのは夕暮れにも間がある程だったと言うのに、今見れば空には満月が浮かび、星が煌いていた。
「私……何時間、あの道に居たの……?」
当然ながら、翌日から彼女は登下校の道順を変えた。
―了―
何か中指の先が痛い(--;)
棘が刺さってる風もないんだけどな~。
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Re:不気味なw
今日は大丈夫みたいです、指。本当に何だったんでしょう?(・・?
これまた経験あり><v
こんにちはー^^
中学から高校生になる春休み。。。
四国をぶらり一人旅しました^^v
48箇所参り?だったっけ?
の一箇所の神社?お寺?←宗教関係にはものすごく、うといnukunukuですwwwwwww
で、偶然入った道が旧街道?旧参道?だったの^^;www
誰一人通らない。。。うっそうとした森の中と森と崖に挟まれた道。。。歩きにくい狭く細い道。。。
テクテク一人で歩いていると。。。付いてくるんだよね。。。だれかが( ̄□ ̄;)ガビィーン
「ここで、振り返ったら。。。いけないだぁー><v」
とか思いながら、ちょっと早足^^;www
ところがドンドン近寄ってくる><;キャー
そして、私の背中のすぐ後ろをくっついて、更に距離を詰めようとしてくる。(_□_;)逆さガビィーン
「こ、こんなときは、立ち止まって『お先にどうぞ(*^o^*) テレテレ」とかいうんだったよなぁ。。。絶対、振り向いたらあかんかったよなぁ。。。」
「振り向いたらあかん。あかん。。。あああああ」
我慢できなくなって、ガバァッ!って振り向いてみた^^;wwwwwwww
。。。だれもいない。。。。
で、歩き始めると、今度は最初から背中にべったりくっついてくる(T_T) ウルウル
仕方が無いので、アニメソングを大声で歌いながら最後まで歩ききりました^^vwwww
いやー、なんか、凄く疲れました。あの時は。。。
ちなみに、その晩、っ背負ってたリックの紐が、千切れました(T_T) ウルウル
偶然だよね^^v 偶然といってくれぇ~orz
あ、指先が痛むんだ。。。それはね。きっと、季節性湿疹だよ><v
へ、それなら痒いって? あ!( ̄□ ̄;)w
中学から高校生になる春休み。。。
四国をぶらり一人旅しました^^v
48箇所参り?だったっけ?
の一箇所の神社?お寺?←宗教関係にはものすごく、うといnukunukuですwwwwwww
で、偶然入った道が旧街道?旧参道?だったの^^;www
誰一人通らない。。。うっそうとした森の中と森と崖に挟まれた道。。。歩きにくい狭く細い道。。。
テクテク一人で歩いていると。。。付いてくるんだよね。。。だれかが( ̄□ ̄;)ガビィーン
「ここで、振り返ったら。。。いけないだぁー><v」
とか思いながら、ちょっと早足^^;www
ところがドンドン近寄ってくる><;キャー
そして、私の背中のすぐ後ろをくっついて、更に距離を詰めようとしてくる。(_□_;)逆さガビィーン
「こ、こんなときは、立ち止まって『お先にどうぞ(*^o^*) テレテレ」とかいうんだったよなぁ。。。絶対、振り向いたらあかんかったよなぁ。。。」
「振り向いたらあかん。あかん。。。あああああ」
我慢できなくなって、ガバァッ!って振り向いてみた^^;wwwwwwww
。。。だれもいない。。。。
で、歩き始めると、今度は最初から背中にべったりくっついてくる(T_T) ウルウル
仕方が無いので、アニメソングを大声で歌いながら最後まで歩ききりました^^vwwww
いやー、なんか、凄く疲れました。あの時は。。。
ちなみに、その晩、っ背負ってたリックの紐が、千切れました(T_T) ウルウル
偶然だよね^^v 偶然といってくれぇ~orz
あ、指先が痛むんだ。。。それはね。きっと、季節性湿疹だよ><v
へ、それなら痒いって? あ!( ̄□ ̄;)w
Re:これまた経験あり><v
色んな経験されてますね(^^;)
高校入学前に四国一人旅とは……! 羨ましい実行力です。
旧街道の鬱蒼とした森に囲まれ、苔生した道……いいですね~。
って、付いて来られるのは嫌ですが!(^^;)
切れたリュックの紐……偶然ですよね♪ それが身代わりになってくれなかったらどうなってたか……なんて考えない方がいいですよね♪^^
高校入学前に四国一人旅とは……! 羨ましい実行力です。
旧街道の鬱蒼とした森に囲まれ、苔生した道……いいですね~。
って、付いて来られるのは嫌ですが!(^^;)
切れたリュックの紐……偶然ですよね♪ それが身代わりになってくれなかったらどうなってたか……なんて考えない方がいいですよね♪^^
Re:無題
河童風ですね^^
ぺたり、とか、ぺしゃっ! っていうのも何か不気味っぽくなるかも。
ぺたり、とか、ぺしゃっ! っていうのも何か不気味っぽくなるかも。