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ゴールデンウィークの数日間会わなかっただけだと言うのに、友人は自棄に様変わりしていた。
「お前、顔色悪いぞ? 大丈夫か?」俺は訊いた。「ハワイに行くって言ってたから、てっきり日に焼けて真っ黒かと思ってたのに、真っ青じゃないか」
確かに焼けてはいるのだが、それでも尚、顔色の悪さが窺い知れる。
「そ、そうか……?」心なしか、声迄震えている。本当に大丈夫か?「し、室内だから暗く見えるんだろ、きっと」
日が翳っていても、普通は声は震えない。
「何か変な病気でも拾って来たんじゃないだろうな?」冗談めかして、俺は言った。
「そ、そんな訳ないだろ?」友人は笑う。だが、そこで言葉に詰まられるとこっちとしても困るんだが。空気感染しないだろうな?
「さては遊び疲れたんだな? 羨ましい奴め」期間中、バイト三昧だった――御陰でずっと初夏の日差し降り注ぐ野外に居たにも拘らず、健康的に日焼けするどころじゃなかった――俺は、少し意地悪く言った。「そんで免疫低下した所で、おかしな病気拾ったんだ。そうに違いない」
「び、病気じゃないって……!」奴は少し、ムキになった。「それよりお前こそ、何で此処に居るんだよ!?」
「何でって……」俺は目を丸くした。奴は何を言ってるんだ?
此処は大学の教室内。普通に授業受けに来たに決まってるじゃないか。
俺が呆れ顔でそう答えるより早く、奴が口早に喚いた。
「観光地の着ぐるみのバイトで熱中症起こして倒れて、意識不明で……俺、昨日、帰国早々に病院に見舞いに行ったんだぞ!?」
暫しぽかんとした後、俺は漸く理解した。
奴の顔色の悪さと声の震えは、居る筈のない俺を恐れての事なのだと。
どうやら様変わりしていたのは、俺の様だった。取り敢えず、死んではいない様だが……。
この分では代返は頼めそうにもない――堂々と休める期間は、終わってしまったと言うのに!
―了―
む。暑いのと休みが無いので変な話になってしまった(--;)
明日はやっと休みだー♪