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薄暗い、何処とも知れぬ街路を行く少女の耳に、風のざわめきの様な声が四方八方から届いた。
いずれも、内容は一つ。
この鍵を開けてくれ。
少女はそれらを無視して、次の行き先へと進む。それらの相手をしてはいられない、と茶色の髪と青いリボン、青い服を風にはためかせ、ベルトに付けた幾つもの鍵を鳴らしながら。
街のそこかしこには、ヤケに小さな家々が点在し、声はそこから聞こえてくるのだった。中には威嚇する様に乱暴にドアを叩き、怒声と哀願を交互に繰り返してみせる者も居る。
だが、少女は眉一つ、動かさない。
此処にはもう、彼女の鍵を必要とする者――あるいは鍵が必要とする者は居ない。
此処から出す理由も無い。
「おい」後少しでこの通りを抜けるという所で、はっきりとした声が少女を呼び止めた。最早渾然一体と化した周囲の声とは、未だ異質な声。「あんた、ありすっていうんだろ?」
それはこの通りの者なら誰でも知っている事だった。例え新参者でも。
「どんな扉でも開けられる鍵を持ってるって言うじゃないか。この扉、開けてくれないかな」
無視――それが少女の答えだった。
「おいおい、可愛い顔して無愛想だな。鍵を開ける位、どうって事ないだろう?」
少女の足は結局止まらなかった。幾度呼び止められようと。
只、通りを抜ける手前で一言だけ、呟いた。
「扉を開けて、貴方達に行きたい所があるの?」
しん……。
ざわめきが止んだ。
鍵を開けるのは自らが封じられた場所から出る為。薄暗い狭い部屋から自由になる為。
しかし、その行く先は――行きたい場所、希望は彼等には無かった。
今は未だ。
外に出る事を望みながらも、何処へ行きたい、どうなりたいという望みも無い。そんな彼等の本当の望みは、此処に居たいという事なのかも知れない。安全な場所に居ながら、外に出られたらああしたい、こうしたいと思い描く――今の状態こそが彼等の望みに適っている様だった。
だから鍵を開ける理由は無い――歩を進めながら少女は思った。本当に出たいと望んだのなら、どんな鍵でも届けて上げよう。今は無き廃墟の鍵でも。海の底に沈んだ鍵でも。
此処の亡者達が先へ進めるのなら。
亜理守――次なる理を守る者として。
―了―
何と無く番外編。
眠い……(当たり前)
すごいね~~(◎o◯;)私はしばらく(解答日が過ぎるまで)休むよー(笑)
アリス番外編。
途中まで動物園だと思ってました。小さい檻かなー?って
アリスは漢字だとアレなんだねー
や、気分転換に。
だって考えが煮詰まるんやもん★
やはり鍵は次に進む為のもの……という事で。
何だかんだ言いながらも現状って居心地がいいんですよね。鍵が無ければ扉を壊して迄、どうこうしようって気合が無いし、そこ迄切迫したものも無いし。
それにしても、亜理守って名前を付けた時から考えていた漢字?
何となく今回考えた感じ~。(←ダジャレ)
ありすは当初から「亜里守」にしようか「亜理守」にしようか、考えてたんですよ。現実空間とは違う亜空間的な場所を守る、か今回出たみたいに理を守るか。結局理になりました☆
元々漢字で書けるように、とは考えてたんですよ。漢字の意味とか辞書引きながら(^^;)
結局ああなりました(^-^)
そう何度も開け閉めするぐらいなら鍵は無くても・・・とはまた別の話ですか^^;
おぉう、アリスちゃんが漢字に・・・
でもやっぱりカタカナのほうが見栄え(読み栄え?w)はいいですかね?^^;
ではでは~
まぁ、漢字の方は殆ど使わないと思う(笑)
取り敢えず安住しちゃってる。
ありすに鍵は貰えないかも☆
真里ちゃんとラブラブという壮大な夢が……え? もう叶ってる? 失礼しました~(^^)ゝ