〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
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空を覆う淡くも清かな薄紅を、吹き払う様にざわりと風が一撫でした。
無数の花弁が風に流れ、ふわりと舞う。
そんな桜並木の只中で、小さな黒猫が一匹、未だ漂う花弁にじゃれ付いている。その背にもぽつりと紅の点。
ぽつり。
ぽつり。
くるくる戯れる黒猫の上、あるいはその足元に、点は徐々に増えて行く。
ぽつり。
ぽつり……。
黒猫は更に興奮の度を増す。
風がまた、枝を揺らして花弁を散らし、黒猫の頭を撫でた。
丸でもうお帰り、と言われた様に、黒猫は動きを止めた。
薄闇が空の色に混じり始めていた。塒に帰る頃合いだろうか、黒猫はのんびりと毛繕いをしながら考える。
うん、帰ろう――暫し後、黒猫は腰を上げた。
如何に夜行性とは言え、夜は未だ未だこの小さな黒猫には危険だ。
何しろ此処は、その根元に埋葬された人の血を吸い上げては花咲かす、妖桜の足元なのだから。
ああ、でも……先程、身体に付いたお零れを舐め取ったから……手遅れかも知れないけれど――黒猫は忍び寄る闇に、金色の目を光らせて、笑った。
薄紅は時折黒っぽい紅を交え、その足元に降り注ぐ……。
―了―
近況報告のネタが無い(笑)
因みに上の絵は普通の桜と猫ですのでご安心を(^^;)
無数の花弁が風に流れ、ふわりと舞う。
そんな桜並木の只中で、小さな黒猫が一匹、未だ漂う花弁にじゃれ付いている。その背にもぽつりと紅の点。
ぽつり。
ぽつり。
くるくる戯れる黒猫の上、あるいはその足元に、点は徐々に増えて行く。
ぽつり。
ぽつり……。
黒猫は更に興奮の度を増す。
風がまた、枝を揺らして花弁を散らし、黒猫の頭を撫でた。
丸でもうお帰り、と言われた様に、黒猫は動きを止めた。
薄闇が空の色に混じり始めていた。塒に帰る頃合いだろうか、黒猫はのんびりと毛繕いをしながら考える。
うん、帰ろう――暫し後、黒猫は腰を上げた。
如何に夜行性とは言え、夜は未だ未だこの小さな黒猫には危険だ。
何しろ此処は、その根元に埋葬された人の血を吸い上げては花咲かす、妖桜の足元なのだから。
ああ、でも……先程、身体に付いたお零れを舐め取ったから……手遅れかも知れないけれど――黒猫は忍び寄る闇に、金色の目を光らせて、笑った。
薄紅は時折黒っぽい紅を交え、その足元に降り注ぐ……。
―了―
近況報告のネタが無い(笑)
因みに上の絵は普通の桜と猫ですのでご安心を(^^;)
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Re:無題
その内尻尾が二本になるにゃ♪
Re:こんばんは
夜霧は尻尾一本でも立派に妖猫ですな(^^;)
Re:こんにちは
や、何となく(^^;)
夜霧予報でも[つづき]に書く分にはまねっこされないっぽので。
夜霧予報でも[つづき]に書く分にはまねっこされないっぽので。
Re:無題
うちの下の公園の桜も、今日見たら一輪、花をつけてました(^-^)
因みに根元に怪しいものはありません(笑)
因みに根元に怪しいものはありません(笑)
Re:え〜
是非実験を(笑)
でもお散歩の為にリード着けたら動かないんじゃ……(^^;)
でもお散歩の為にリード着けたら動かないんじゃ……(^^;)
Re:こんばんは♪
桜は散り際がまたいいですよねぇ♪
まさに桜吹雪といった感じで。
まさに桜吹雪といった感じで。