[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「この続き、書いて欲しいんだけど……」そう言って差し出されたのは白い表紙の、題名も何も無い、本。差し出した級友の、ちょっと困った様な顔と本とを、暫し、見比べる。
一応受け取って、ぱらぱら捲ってみると、肉筆で書かれた物語が綴られていた。よく見れば、中盤以降、書き手が度々変わっているのか、筆跡がばらばらだ。最後は今目の前に居る級友の字で……話は完結していない。
「何なんだ? この本」僕は行を眼で追いながらも尋ねた。「神谷達が書いたのか?」神谷、とは他ならぬ目の前に居る奴だ。
「他の奴にも書いて貰ったんだけど……やっぱり続きを書いて欲しいって。でも、なかなか終わらなくて……」それで僕にお鉢が回って来たらしい。
読んでみれば所謂ファンタジーらしかった。尤も、書き手が変わる度に、その色合いは、変化し続けている。旅の剣士が悪の魔法使いを倒しに行くというオーソドックスな形から、様々な手を通して、今ではその剣士が王国から追われている。
「リレー小説? これ、続きを書いてまた別の奴に回せばいいのか?」
「いや、出来れば終わらせて貰いたいんだけど……」神谷は言い渋った。「それが宮原――最初に書いた奴の望みだから」
僕は最初のページに戻る。オーソドックスで素直な物語の発端。
「でも、僕はこんなの書いた事も無いし……」
「なら、少しでもいいからさ。後はまた誰かに頼んでみるよ」
仕方なく、僕は本を受け取った。何、浮かばなかったら誰かに回せばいい。
翌土曜日、半日かけて僕はそこ迄の物語を追った。そして頭を抱えた。
物語は終盤に差し掛かりつつある様だった。しかし、元よりプロットがある訳でもなく、各々が引いたらしい伏線もばらばら。中にはふざけ半分で書いた様なものもある。これをどう収束させろと?
午後、僕は神谷に電話した。宮原にどうしても、言ってやりたい事があったのだ。
「自分で始めた物語は自分で終わらせろ。それが責任だし、折角半ば迄書いといて、変な話になってもいいのかよ」と。
だが、神谷は宮原がもうこの世に居ない事を白状した。
「完結させてやりたいんだ……でも、奴の望む終盤が見えなくて……」涙声だった。
以来、僕は物語を終わらせるべく、頭を抱えている。
―了―
はーい、これも行き当たりで書いてまーす(笑)
書き始めより、終わらせるのが難しい……と思う今日この頃。

神谷は終わらせ切れなかった様で……☆
リレー小説、またやりたい様な気もしますが、先ずオリジナル終わらせないと無理よね? 姐さん?

それはありますね~。でも始めた以上は終わらせないと、それは完成形ではないし……。まぁ、ファンタジーならネバーエンディングもありでしょうか。
どちらも最近見てないですねぇ。面白くなくなったから?
それにしてもご長寿番組……それこそネバーエンディング?
何か呪いの本になってきたよ~。
それだけ十人十色という事ですよね。
って読んだとき、死んじゃってるのかな?って思ったら、当たってました。
モアイネコ、鋭い読みでした?
でも、たしかにそんな状況だと、話を終わらせてあげたいですよね。
物語は終わらせないと完成しない――でも、完成を見ず、死んじゃったら?
……だ~れ~に~回そ~か~な~(笑)
肉球文字が沢山の小説w
終盤かぁ。悩め少年よだな。
シンだったら。『終』と一言だけ(おぃ
それか、世界が爆発して、みんないなくなった。(おぃ
昔、中学の頃、リレー小説っていうか、二人で交互に書いてて遊んでた時あった。
ああいうのって楽しいよね。
リレーファブィ!
きっと猫が書いたに違いない――読みてー!
リレーは昔、冬猫姐さん達とやったなぁ。ミステリーで(無謀)
そう来るかー! という想定外が楽しかった♪ 終わらせるのは一苦労だけど(^^;)