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「ねぇ、出口を知らない?」
自分の口から零れ出た言葉を、彼女は慌てて咳払いで誤魔化した。何か言ったかという友人の問いに、曖昧に笑って頭を振る。
そして、先に行くからと言い置いて、化粧室を後にした。
油断していた、と臍を噛みながら。
化粧室なんて、人と一緒に行ってはいけなかったのだ。
そこには必ず、鏡があるのだから。
一箇月程前だったろうか。鏡の中に、もう一人の自分が居る事に、真奈が気付いたのは。
それは勿論鏡像であり、彼女の表情、仕草を真似るだけ――だが、その眼に、自分とは別の意思が宿っていると、真奈は感じ取った。
真奈がどれだけ着飾って満足げに自分の姿を見ていても、それをどこか冷めた眼差しで見詰めている、鏡の中の、彼女。
涙に暮れて腫れぼったくなった瞼に更に落ち込んでいても、どこかそれを嘲笑っている様な、鏡の中の、彼女。
鏡を覗く度に、冷たい視線を向ける、彼女。
それは自分に対して敵意を持っている、と真奈は感じていた。丸で影が本体を羨み嫉む様に、鏡像の彼女は真奈を見ているのだと。
自分がおかしくなったのかとも思った。鏡は鏡。只の器物でしかない。そこに映った鏡像が本体を羨むなど……。だが、どれ程それを否定してみても、やはり鏡の向こうからの刺す様な視線を感じ、徐々に真奈は鏡を覗かなくなった。
丸で自分の居場所を狙われている様な気がして。
勿論、自分と鏡の中の彼女が入れ替わる事なんてあり得ない、そうとは解っている……心算だったが。
そして今、真奈は彼女が鏡の前に立つ度に――本体の方が未だ肉体への影響力が強いという事だろうか――向き合っている時のみ辛うじて動かせる口を使って問うのだ。
ある晩夢を通じて引き摺り込まれた鏡の空間からの帰還を願って。
「ねぇ、出口を知らない?」
―了―
ちょっと疲れ気味なので短めに~(--;)
鏡、色んな意味で見るのが怖い時が(笑)
鏡、動物番組の実験でよく使われますね、そう言えば。
そこに映し出されたのが自分だと認識出来るかどうか、みたいな奴☆
夜中なんて絶対に見たくないよね(笑)
まったく別人がうつってたり、後に顔があったり
したらなんて考えると怖いよぉ~!
いや正しくうつってたとしても別の意味で怖い
けどネ(笑)
暗い所で、自分以外の誰かが映ってたりしたら……(((・・;)))
夜は特に気味悪く感じる時がありますよね、鏡。
睡眠不足に注意~(笑)
たしかに鏡はじっと見てると話しかけてきますよね。
「食べたら太るで」
たくっ、それは鏡餅だろ、お後が宜しいようで^^
夜の鏡の前は、取り敢えず自分のバックは見ないようにして速やかに通り過ぎます(笑)