〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
Admin
Link
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
虫の音が辺りを支配する……。
どれ程人里を離れてしまったのだろう。
遠くにぽつりと灯っているのは、見渡す限りでは最後の、文明の証。人家の門灯なのか、街灯なのか、はっきりとはしないけれど。
月が照らす下界を歩き、草葉を揺らす度に、虫達の音色は音調を変える。足元で跳ね、逃げる虫が微かな音を立てる一方、遠くの虫は素知らぬ風で音を奏で続けている。
こんな所に居てはいけない、と私は上空を見上げた。この眼に映るのは天の光、それだけでなくてはならない。
私を自由にする為に、彼等は献身的な世話を焼いてくれたのだ。
時には追っ手から私を匿い、それらに知れぬように食料を運び、救ってくれた。傷を洗い、手当てをし……。私が再び自由を得る為のリハビリも手伝ってくれた。
そして……泣きながら見送ってくれた。
別れるのが私の為だから、と。
共に居ては自由になれない。それは私にも解っていた。彼等と私は、住む世界が違う。
怪我が治った今、別れるのがお互いの為だったのだ。
二度とあの追っ手の様な者達に捕まらないで――それが彼等との約束だった。
大丈夫。私は自らの身体に宿る力を感じつつ、頷いた。二度と捕まらない。二度と、人間達の傍へは寄らない。
私には人工の明かりなど無くともよく見える眼とよく聞こえる耳、鋭い爪と嘴、そして音もなく飛翔する翼があるのだから。
一度は猟師の銃弾に傷めた翼に力を撓め、私は一度、二度と風を掻いた。
森へ、空へ……私の自由に帰る為に。
―了―
や、特に意味はありません(^^;)
因みにフクロウさんだよ。
どれ程人里を離れてしまったのだろう。
遠くにぽつりと灯っているのは、見渡す限りでは最後の、文明の証。人家の門灯なのか、街灯なのか、はっきりとはしないけれど。
月が照らす下界を歩き、草葉を揺らす度に、虫達の音色は音調を変える。足元で跳ね、逃げる虫が微かな音を立てる一方、遠くの虫は素知らぬ風で音を奏で続けている。
こんな所に居てはいけない、と私は上空を見上げた。この眼に映るのは天の光、それだけでなくてはならない。
私を自由にする為に、彼等は献身的な世話を焼いてくれたのだ。
時には追っ手から私を匿い、それらに知れぬように食料を運び、救ってくれた。傷を洗い、手当てをし……。私が再び自由を得る為のリハビリも手伝ってくれた。
そして……泣きながら見送ってくれた。
別れるのが私の為だから、と。
共に居ては自由になれない。それは私にも解っていた。彼等と私は、住む世界が違う。
怪我が治った今、別れるのがお互いの為だったのだ。
二度とあの追っ手の様な者達に捕まらないで――それが彼等との約束だった。
大丈夫。私は自らの身体に宿る力を感じつつ、頷いた。二度と捕まらない。二度と、人間達の傍へは寄らない。
私には人工の明かりなど無くともよく見える眼とよく聞こえる耳、鋭い爪と嘴、そして音もなく飛翔する翼があるのだから。
一度は猟師の銃弾に傷めた翼に力を撓め、私は一度、二度と風を掻いた。
森へ、空へ……私の自由に帰る為に。
―了―
や、特に意味はありません(^^;)
因みにフクロウさんだよ。
PR
この記事にコメントする
Re:こんばんは
かぐや姫っすか(^^;)
お月見の季節ですな♪
お月見の季節ですな♪
Re:おはようございます☆
肉食です。猛禽類です。
でも何か愛嬌があります♪
でも何か愛嬌があります♪
Re:しまった
フクロウさん、羽根を怪我してリハビリ済んで外に出て間がなかったので歩いてたんですが(^^;)
最初から飛んでたらバレバレやし(笑)
虫は……余り聞きませんねぇ。基本はげっ歯類なんかの小動物よね。
最初から飛んでたらバレバレやし(笑)
虫は……余り聞きませんねぇ。基本はげっ歯類なんかの小動物よね。
Re:こんにちは♪
フクロウさんでした♪
妖だったら……人間側視点で書いた方が面白いかな?
妖だったら……人間側視点で書いた方が面白いかな?
Re:世話するの?
誰が? 誰の?(--;)