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「済みませーん、シャッター押して貰えますか?」修学旅行だろうか、団体の女の子の明るい声に、しかし僕は頭を振った。急いでいる風を装って、連れの手を引く。
「撮ってあげればいいのに」手を引かれつつも振り返って、ごめんねと頭を下げた渚は、僕に対しては膨れっ面を作った。「折角の旅の思い出なのに……」
彼女の言葉がちくり、と胸に刺さる。きっと彼女が言っているのは、先の女の子達の思い出の為だけではない。
近場で日帰りとは言え、初めて二人っ切りの旅行に来たと言うのに、僕はカメラを持っていないのだから。
本当ならさっきの女の子達の台詞は、彼女自身がその辺の通行人をひっ捕まえて、言いたい事でもあったのだろう。僕と二人、観光名所をバックに。
勿論、観光名所の売店には使い捨てカメラも常備されている。取り敢えずはそれを買えば済むだけの話だ。
だが……。
多分、現像された写真を、僕は彼女に見せる事は出来ない。
幼い頃から、僕が撮った写真、僕が写った写真には、漏れなく誰とも知れない女性の顔が写る。
ぼんやりとして、首だけが宙に浮いていて……僕の方をじっと見詰めているのだ。
僕には全く覚えがなかったから、どこかでうっかり拾ってしまった浮遊霊なのか、先祖から受け継いだ因果なのか……?
何にしてもそんなものを見せたら、気味悪がられてしまう。
僕は彼女との思い出を、脳裏にのみ刻む事にした。
ところが数年後、母がうっかり見せた大学入学時の記念写真に、彼女はこう、怒鳴った。
「ちょっと、この女、誰よ!?」
その形相たるや、般若もかくやと言うもので……。
幽霊より、妻の嫉妬の方が怖いなどと、当然、口には出来なかったけれど。
―了―
変な写真、お宅にもありませんか?( ̄ー ̄)
そう言えば自動で人物の顔にピントが合う機能ってあるけど……何も無い所にピントが合ってたりしたら……?( ̄ー ̄)
そんなもんが毎回、写ってたら、
そりゃ写真を撮るのが怖くもなるよネ!
運良く、そういう写真は1枚もないけど、
ピンボケで何となくそれっぽく見えるのなら
2枚くらいあるかな?
うちは取り敢えず無い……と思う(^^;)
あったら面白いな~と思いつつ、本当にあったらどうしたものやら。
取り敢えずお祓いかなぁ(^^;)