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「道が二手に分かれています。右と左、どちらに進みますか?」
そう問われて、僕は暫し迷った挙句に左、と答えた。
特に理由があった訳じゃない。だってこれは友達が作ったゲームだから。
親が大まかな筋立てを決めて、メンバー数人のそれぞれが特異なスキルを持った配役を決め、時にはメンバー同士で相談したり、サイコロに運を託したりしつつ進めていくゲーム。僕達は時折集まってはそれに興じていた。
今回は僕の幼馴染でもある友也が親だった。友也の書くシナリオはファンタジー色が強く、仕掛けるトラップも余り悲惨な結果を招くものじゃない。他のメンバーもその傾向は解っているから今回のパーティーのリーダーである僕に一任だ。
それに、未だ未だ序盤で特に手掛かりもなく、森の中の道を歩いていて分かれ道に遭遇したら、取り敢えずどちらかに進んでみるしかないだろう。軽いトラップ程度なら、掛かってみるのも一興だ。
「左だね」そう確認しながら、シナリオを書き留めてあるのだろうノートを捲る友也。「じゃあ……竜が現れました……?」
いきなりかよ、という声がメンバーから漏れる。序盤で出て来るモンスターじゃないだろう。
僕はそれよりも、彼の自信なさげな読み上げ方が気になった。何で語尾が半音上がるんだよ?
「ち、ちょっと待って」彼は再びノートを捲り、幾度も検めている。分岐を間違えたのか?――このゲームではメンバーの選択によって幾つも分岐先を用意しておく必要があるのだ。
しかしどうやら分岐に間違いはなかったらしく、彼は首を捻っている。
「どうしたんだ? トモ」隣に座っていた僕はこっそりと訊いた。
「いや、作った時はここでドラゴンが出るなんて書いてなかったんだけど……」ネタバレになるので彼もこっそりと返す。「昨日確認した時もちゃんとなってたし……。おかしいなぁ」
「誰かが悪戯で書き直したんじゃないか?」
「それにしては……確かに僕の字だと思うんだけど……」
やっぱりこっそり覗き見ると、確かに癖のある友也の字で「竜出現!」と書かれていた。
「寝ぼけて書いたんじゃないか?」僕は苦笑する。時々設定が矛盾するなんてのはまま、ある事。それも承知の上でメンバーも協力して辻褄を合わせる事もある。そんな自由さもこのゲームの楽しい所だった。勿論、それに甘え過ぎていい加減なシナリオばかり書いてくるのは論外だけれど。そんな奴はいずれメンバーから疎外されてしまう。「兎に角、それで進めてみようか」
友也は頷いて、シナリオの先を読み始めた。
「竜は君達を見ると、襲い掛かって来ました」
また、いきなりかよ、の声。
更に竜は先攻を取り、友也がサイコロで決めたその行動は「全体攻撃」だった。結果はいきなりの大ダメージで全員瀕死。それはそうだ。序盤の低レベルメンバーで勝てるモンスターじゃないって。
それでも何かしらの救済措置があるのかと、メンバーは天を仰ぎつつも友也が続きを読むのを待った。時には負ける事で進むシナリオもあるのだ。
しかし、友也は再びノートをあちこちと捲り、ややあって茫然と、こう告げた。
「パーティーは全滅しました」
「何だよ、それ!?」途端に抗議の声が上がった。
無理もない。こんな序盤でいきなり全滅に繋がる選択があるなんて。然も全くそれを匂わせる情報も無かったのだから、メンバーが怒るのも当然だ。電子ゲームならコントローラーなり本体なりを投げてる所だ。
友也は困惑した顔で更にノートを検め、結局それを僕達の前に差し出した。シナリオに書いてある通りなのだ、と。
「でも、この選択肢の先はおかしいんだよ! 書いた覚えが無いんだ!」と、友也は言った。
「けど、お前の字じゃん。誰かが悪戯で真似て書き直したとでも言うのか?」と、メンバーの一人。
「他の所はトモが書いた儘なのか?」と、僕。
「うん……。他は変わってないみたいだ」
「じゃあ……ルールには反するけど、此処は分かれ道からやり直そうか。皆もこれで終わりじゃ納得しないだろう?」
しっかりしてくれよ、と苦笑いしながらも、皆それぞれの配役の気分を取り戻した。
「では……」改めて、友也は読み直す。「道が二手に分かれています。どちらに進みますか?――って、右だよね」
頷く僕達を前に、友也は……震える声で続きを読み上げた。
「り、竜が現れました。竜の攻撃――ふ……復讐する……!?」
何だよそれ!――何人かが声を上げる中、電灯がいきなり消え、部屋は闇に包まれた。
闇に沈むその直前、僕は思い出していた。
いつも論理の破綻したシナリオを書いて来たりルールを無視した挙句、仲間外れにされた事を恨みつつ、元々被害妄想の気があった所為もあり、この冬、自ら死を選択した「竜」という同級生の名を。
―了―
TRPGって知ってます?(^^;)
リプレイ(ゲームの始めから終わりまでをシナリオを含めて書いたもの。)を、昔はまって読んでました。
やって見たかったけど、それをやる系の友人が周りにいないのと、年齢的に若者に混じるのもアレなんで、やった事は無いけどね(笑)
竜君、それくらいの事で自殺したら、あきまへんよ(;^_^A
逆恨みなんて、以っての外でしょ~
で。巽さんは、やった事有るの??
…………
巽さんの前に夜霧が現れた!
夜霧は訳の解らない言葉を紡いでいる
※サイコロ二個振って
ぞろ目が出ないとダメージ100だよ(笑)
コロコロ×2……2……1……!!
巽は100のダメージを受けた。
巽は倒れた。
continue?(笑)
やった事はないけどリプレイは読んだ事ある♪
面白そうだけど私の周りもやりそうな人居なくてね~(^^;)
夜霧の攻撃をかわし、カウンター攻撃!
ダメージ500!
・・・しかし、夜霧はビクリともしない。
それもそのはず、夜霧の最大HPは50000だった。
(私も仲間ハズレになるな(笑))
前に、み~ねこさんに教えてもらったような気がする。
夜霧の最大HPは50000!! 流石ラスボス!!
それは勝てないわ~(笑)
それでなくても防御力、面の皮だけで10000なのに(爆)