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肩が痛い――重い身体を引き摺りながら、僕は坂を登った。
頭上の木々の葉に遮られながらも差し込む日差しに、辺りが白んで見える。それとも、僕の目が霞んでいるのか? どっちだろう? どっちとも……付かない。
あの時――崖を滑り落ちた辺りから、僕の知覚は歪んでいるのかも知れない。
聴覚は鳴り渡る蝉の大音声に攻め立てられ、他の音を拾えない。
臭覚は赤茶けた錆にも似た臭いしか感じられない。
口の中を切りでもしたのか、舌には血の味。
触覚は……ああ、この気持ち悪く纏わり付くのは汗だろうか、それとも……。
それらの不快な感覚に吐きそうになるのを堪えながら、僕は坂を、登り続けた。
肩が、痛い……。そして、重いなぁ、この身体は……。
「嫌ねぇ、またあの坂の上の崖から人が落ちたそうよ? ほら、一年前に貴方が天体観測に行って、誤って落ちた崖。あれから柵も新調したって言うのにねぇ」
「ふぅん……。でも、確かにあそこは危ないね、母さん。僕も二度と近付かない事にしたよ」
「それがいいわね。貴方は幸い北側のなだらかな方から落ちたから未だ助かったけど……。今度の人は南側の切り立った方で……助からなかったそうよ」
僕は顔を顰めて味噌汁を飲み干すと、食器を纏めて、朝食の席を立った。
そう、あそこには二度と近付かない。
一年前、誤って落ちた時以来、僕はある考えに取り憑かれてしまった。
此処から――この南の崖から落として、激しく損傷させてしまえば、僕が殴った痕など判らなくなるのではないか? と。
幼い頃から何かにつけ僕を馬鹿にしてきた、あいつを――この手で殴り殺した痕さえも。
それにしても思いの外、反撃を食ってしまった。
切れた口は飲食の度に沁みて鋭く痛むし、何より――肩が痛い。
重い奴の遺体を坂の上迄引き摺り続けた、肩が……。
―了―
短く暗く(笑)
や、寝方が悪かったのか、リアルで肩が痛くて……(^^;)
そりゃ、やっぱり、歳の所為ですわwww
イマイチ、前後関係が理解できない。
坂の上で、ヤツを殴り殺した所、反撃を食らって一緒に北側の崖に落ちて、ヤツは死んでしまったから、担ぎ上げて南側に落したってことで良いのかな?
未だ言うか(^^;)
いやいや、「僕」が北側に落ちたのは一年前。南側なら、まぁ、ぐちゃぐちゃになってただろうな~って事で、自分が殴った痕跡を誤魔化そうと落とす事にして……機会を狙っていて、やらかした所(^^;)
遺体は……重いと思いますよ? 意識が無い人を運ぶだけでも大変らしいですし。
自分でしがみ付いてくれるかくれないかは意外と差が出るかも知れない。
でも……天網恢恢疎にして漏らさずとも言いますし?