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もうこれ以上の協力は出来ない――私はその夜、意を決して施設からの脱走を決行した。
某国のテロ組織の研究施設、その一角に、私は私室と研究室という名の牢を与えられていたのだ。
「安心しろ。大人しく我々に協力さえしていれば身の安全は保障する。勿論……博士の一人娘の安全も。彼女には何不自由なく、最高の教育を受けさせる事も確約しよう」
逆に言えば、私が彼等に従わなければ私のみならず娘の身も危険だという事だ。
私はその言葉に屈した。妻を喪って、只一人の血縁となった我が娘。私が彼女を守らねばと思ったのだ。
それからもう何年経つのか……。以来、娘には会わせて貰えていない。偶に手紙が届けられるだけ。成長の見受けられる文面からするに、組織はちゃんと約束を守ってはいる様だが……。
会いたい……亡き妻譲りの蒼い目、右目の横の小さな泣き黒子……。きっと妻に似て美人に育っている事だろう。
会わせなければこれ以上の仕事はしないとごねた事もあった。だが、それが娘の身に危険を齎す事になるかも知れない、そう匂わされると弱かった。
だが、もう限界だった。私が作らされているのは危険な生物兵器。これを空港等でばら撒けば密やかに、かつ爆発的に、感染は広まり、世界中が大量殺戮テロの舞台となってしまう。
そんな事は耐えられない。
私は小さいながらもこの研究の核となる情報が入ったメモリーをポケットに忍ばせ、見張りの隙を突いて部屋を抜け出した。
済まない――心の中で、娘に幾度もそう詫びながら。私の行動で、彼女が犠牲になるかも知れない。身を裂かれる思いだった。
勿論、こんな組織に身を置いてはいても、私は完全な研究畑の人間。兵士に見付かってしまえば自分の身一つ守れはしない。速やかな行動が鍵だった。
しかし――。
裏切りを決めた私に、組織は一切の機会を与えてはくれなかった。
背後に人の気配を察した次の瞬間、私の首筋を冷たい刃が掠め、次に燃える様な熱さにも似た傷みが襲った。
最早声も出せぬ儘、私は辛うじて振り返り――小さな泣き黒子を伴った蒼い目が一瞬、霞む視界をよぎった。
ああ、組織は確かに約束を守ったらしい。
ちゃんと受けさせていたのだ。娘に、最高の暗殺者としての教育を。
―了―
イマイチベタだな(--;)
てか、最近思い付く書き出しが「暑い」関連しか出て来ないんすけど☆
昼、外に出てやはり暑い。
夜になっても未だ未だ暑い。
……あ~きよ来い、は~やく来い(--;)
取り敢えず危険な組織は作らんように!
オームみたいなの例もあるけど、基本的に国家単位でやってるような場合、テロリストってのは、敵側になった人間からの視点な訳で、やってる本人達は、正しいことをしている、聖戦だと思っている訳で。
何時になくマジレスw