〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
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「何だい、また来たのかい」
聞き慣れた呆れ声に、男ははっとして我に返った。目線を上げればそこにはやはり見慣れた老婆の顔。心底呆れた顔で、彼を見据えている。腰に当てた手にははたきを持ち、この古道具屋の商品の手入れをしていたらしい。
「あ、済みません……」男は丸で夢から覚めたばかりの様なぼんやりとした所作で頭を下げた。
彼等の前には重厚な硝子扉付きの棚に収められた数々の小物。全体的に古臭くて雑多な品の多いこの店にあって、この棚の中身だけは埃を被る事もなく、収められた時の儘、整然としてそこにあった。
「悪いけどねぇ……」老婆は溜め息をついて言った。「前にも言ったけど、この棚に飾ってある絵皿は売り物じゃないんだよ。爺さんが生きていた頃に、商品として仕入れた物じゃあるんだけどねぇ。今じゃこの棚の鍵も失くしちまったし、開ける事も出来やしない。それに……爺さんが特に気に入ってたものだからねぇ」
棚に飾られた数枚の絵皿を眺める老婆の目は優しかった。その目は絵皿という物を見ているのか、かつての思い出を見詰めているのか……。
「解ってます。でも、時々ふと、見たくなって……」微苦笑を浮かべつつ、男はまた腰を折った。「この右端の絵皿に描かれた風景が、余りに故郷に似ていて……。今はもう、ダムの底に沈んでしまったんですがね。それだけに懐かしくて……」
「本当なら売りもしない物を店に並べとくのはお客さんには失礼だと思うんだけどねぇ。何しろ動かせなくって……。この棚だけでも重いし、例え人に頼んだとしても、中の絵皿を傷付けずに移動させられるかどうか不安だし」
「鍵があればいいんですけどね」話を合わせる様にそう言いつつ、男の手はジャケットのポケットの中で、一本の鍵を握り締めていた。
聞き慣れた呆れ声に、男ははっとして我に返った。目線を上げればそこにはやはり見慣れた老婆の顔。心底呆れた顔で、彼を見据えている。腰に当てた手にははたきを持ち、この古道具屋の商品の手入れをしていたらしい。
「あ、済みません……」男は丸で夢から覚めたばかりの様なぼんやりとした所作で頭を下げた。
彼等の前には重厚な硝子扉付きの棚に収められた数々の小物。全体的に古臭くて雑多な品の多いこの店にあって、この棚の中身だけは埃を被る事もなく、収められた時の儘、整然としてそこにあった。
「悪いけどねぇ……」老婆は溜め息をついて言った。「前にも言ったけど、この棚に飾ってある絵皿は売り物じゃないんだよ。爺さんが生きていた頃に、商品として仕入れた物じゃあるんだけどねぇ。今じゃこの棚の鍵も失くしちまったし、開ける事も出来やしない。それに……爺さんが特に気に入ってたものだからねぇ」
棚に飾られた数枚の絵皿を眺める老婆の目は優しかった。その目は絵皿という物を見ているのか、かつての思い出を見詰めているのか……。
「解ってます。でも、時々ふと、見たくなって……」微苦笑を浮かべつつ、男はまた腰を折った。「この右端の絵皿に描かれた風景が、余りに故郷に似ていて……。今はもう、ダムの底に沈んでしまったんですがね。それだけに懐かしくて……」
「本当なら売りもしない物を店に並べとくのはお客さんには失礼だと思うんだけどねぇ。何しろ動かせなくって……。この棚だけでも重いし、例え人に頼んだとしても、中の絵皿を傷付けずに移動させられるかどうか不安だし」
「鍵があればいいんですけどね」話を合わせる様にそう言いつつ、男の手はジャケットのポケットの中で、一本の鍵を握り締めていた。
「この鍵、欲しい?」栗色の髪に青いリボンのよく似合う、青い服の少女にそう尋ねられたのは昨日の事だった。仕事の帰り道、曲がり角から古道具屋の店先をそっと覗いて、いつもと変わりのない老婆の顔に思わず息を付き、踵を返した時だった。
腰のベルトに幾本もの鍵を束に連ねて下げた少女が差し出したのは、一本の古びた真鍮製の鍵だった。その造りがどこか、例の棚の飾り部分と共通するものを感じさせて、男はまじまじとそれを凝視した。もしかして、という淡い期待に目が輝く。
「君、その鍵……真逆……」
「さぁ?」少女は悪戯っぽく微笑んだ。「この鍵、もう随分前に私の元に来たんだけど、最近どうも……しっくり来ないのよね」
「しっくり来ない?」意味が解らず、男は鸚鵡返しに繰り返した。
「私の元にあるべきじゃないのかも、って事よ」
やはり意味が解らなかったが、男はもし要らないのなら、と手を差し出していた。何か代わりの物が要るのだろうか、とおずおずと問いながら。
「別に何も要らないわ。只……この鍵で開けられる物は貴方の物じゃない。それを譲り受けられるかどうかは、貴方次第よ」そう言って、少女は鍵を手渡した。「貴方の物にならない内にそれを使うのはお勧めしない――それだけは言えるわ」
そして男が手に入れた希望をじっと見詰めている間に、少女は夕闇に紛れて姿を消した。
此処に来て見れば見る程に、その細工は同一のデザインの元に作られたと思われた。これがあればこの棚を開けられる――男は手の中の鍵の感触を確かめる。確かにこの手の中にある、と。
だが、問題は少女が言っていた様に、この棚も絵皿も彼の物ではないという事だった。そして老婆は、これは売り物ではないと言う。
例えばどれだけ高い物であったとしても、この金額でなら売る、と言ってくれればそれを目差して仕事に励む事も出来るのだが――男は老婆の顔をそっと窺って溜め息をつく。まぁ、余り非現実的な額を吹っ掛けられても困るが。
「もし……」思い切って、男は声を発した。「もし、鍵が見付かったら、この右端の絵皿だけでも、売って下さる気はありませんか? 棚を移動する手伝いでも、出来る事なら何でもしますから」
老婆は驚いた様子で目を瞬いた。
「あんた、そんなに……。でも、この絵皿は爺さんのお気に入りでね、私も売る気には……悪いね」
意気消沈した男は肩を落として、踵を返した。
その背を、老婆はばつの悪そうな顔で見送った。
それでも、男はそれからも店に足繁く通った。老婆からは呆れられつつも、絵を見られるだけでもいいから、と。だが、その手はいつもポケットの中の鍵を握り締めていた。
「あんたも本当に、その絵が好きだねぇ」苦笑と共に、老婆は言った。「余りにあんたが熱心にその絵皿を見てるもんだから、今日は休む心算だったのに、がっかりしちゃ悪いと思って店を開けちまったよ」
「休む心算って……どこか具合でもお悪いんですか?」そう言えば心なしか、はたきを掛ける姿にもいつもの矍鑠とした様子が見られないな、と男は改めて彼女を観察した。
「ちょっと……ね」曖昧にそう答える老婆の顔色は幾分、蒼い。そして店舗奥から繋がる座敷へ上がろうとして、ぐらりと、身体を傾かせた。
ちょっとどころではなく、具合が悪いんじゃないか!――慌てて駆け寄ろうとして、老婆の顔から血の気が退いているのに気付き、男ははっと脚を止めた。死の影を、そこに見たのだ。
今なら――と、男の中で何かが囁く――今ならあの鍵で棚の扉を開けて、絵皿を奪う事も出来る。元通りに締めて、鍵を始末してしまえば、この雑多な店の中、絵皿一つ無くなった所で誰も気付かないのではないか? そう、この儘、彼女が死んでしまいさえすれば……。
男の手はポケットから、鍵を握った儘外に出されようとした。
が――。
「駄目だ!」低く、しかし強く一言吐き出して、男は鍵の代わりにポケットから携帯電話を取り出して、老婆に駆け寄った。
未だ間に合うかも知れない。素早く緊急通報をした彼は、こちらの気配に気付いて座敷から顔を出した見知らぬ若い女性と顔を見合わせた。
「本当に助かりました。祖母から具合が悪いから店を手伝ってくれと言われて行ったのに、ちょっと夕飯の準備にと思って奥に下がっていたら……。倒れた儘気付かなかったら、取り返しの付かない事になっていました。本当に、有難うございました」病院のナースステーション前の廊下にて、そう勢いよく頭を下げたのは、普段は隣街に住んでいる、老婆の孫娘だった。
老婆は迅速な対応のお陰で一命を取り留め、宛がわれた病室で眠っている。
「いえ、当然の事で……。僕は居合わせただけですから」男は恐縮しつつ、こちらも頭を下げている。
あの場で鍵を使わなくてよかった――その思いが頭の片隅にある。もしあそこで使っていたなら彼女に姿を見られていただろう。悪い事など、出来ないものだ。
やはりあれは、あの鍵は自分の物ではないのだ。
「そう言えば……もしかして、貴方ですか? いつも夕方お店に来て、あの棚の絵皿を見ている方って」
「え、ええ。お婆さんから聞いたんですか?」男は照れ臭さの入り混じった苦笑を浮かべた。
「はい。余りに熱心な方で……。あの人にならあの絵皿、譲ってもいいって思えてきたって、祖母が言ってました。只、鍵が無くて……。本当はね、祖父が亡くなった時に、あの棚の鍵をお棺に入れてしまったそうなんですよ、祖母ったら」
彼女を店迄送っての帰り道、男の頭の中を、色々な言葉の断片が飛び交っていた。
譲ってもいい? でも、それは鍵をお棺にいれる程に大切な人との思い出の品でもあって……。
あの時、一瞬でも迷った僕に、それを受け取る資格なんて――そう頭を振り掛けた彼の耳に、いつかの少女の声が聞こえた。
「迷っても、間違いだと思う方を振り切ったのなら、それでいいんじゃないの?」
夜の街の中、涼しい顔で佇む彼女の姿に、男はポケットから鍵を取り出した。
「それでも……」
「そう。なら仕方ないわね」あっさりと、少女は鍵を受け取った。そしてやはり、いつの間にか姿を消していた。鍵と共に。
数日後、老婆が店に帰って来たという、孫娘からの電話に彼は古道具屋に出向いた。幾日も幾日も通った所為で情が移ったのだろうか、男は心底、彼女の退院を喜んでいた。
「あんたには世話を掛けたね」意外にしっかりした様子で老婆は言い――ポケットから一本の鍵を取り出した。
「それは……!」見覚えのある鍵。男の胸は高鳴った。
「何処の子か知らないんだけど、この鍵を持って来てね。よくよく見たら、あの棚の鍵じゃないか。お棺に入れた筈なのにって驚いてる内に女の子もどこか行っちまって……不思議な事もあるものだよ。でもまぁ、これで、棚が開けられるよ。もう二度と開ける事なんてないと思ってたんだけどね……あんたを見てたら、これは此処に飾ってるより欲しい人に……って思えてきたんだよ」
老婆は鍵を使って棚を開け、右端に飾られていた一枚の絵皿を取り出した。
「これはこの間のお礼。受け取っておくれ。断るのは無しだよ。私は頑固なんだからね」
男は礼を言って、懐かしい故郷に似た風景を内包した絵皿を、大事に受け取った。
* * *
「使う者なき鍵はありすに、使われる鍵はその主の元に……」歌う様に呟いて、少女は自分の元を離れた鍵に手を振った。「主の気が変わったんだもの、君はもう少し、こっちね」
―了―
長くなった~(--;)
腰のベルトに幾本もの鍵を束に連ねて下げた少女が差し出したのは、一本の古びた真鍮製の鍵だった。その造りがどこか、例の棚の飾り部分と共通するものを感じさせて、男はまじまじとそれを凝視した。もしかして、という淡い期待に目が輝く。
「君、その鍵……真逆……」
「さぁ?」少女は悪戯っぽく微笑んだ。「この鍵、もう随分前に私の元に来たんだけど、最近どうも……しっくり来ないのよね」
「しっくり来ない?」意味が解らず、男は鸚鵡返しに繰り返した。
「私の元にあるべきじゃないのかも、って事よ」
やはり意味が解らなかったが、男はもし要らないのなら、と手を差し出していた。何か代わりの物が要るのだろうか、とおずおずと問いながら。
「別に何も要らないわ。只……この鍵で開けられる物は貴方の物じゃない。それを譲り受けられるかどうかは、貴方次第よ」そう言って、少女は鍵を手渡した。「貴方の物にならない内にそれを使うのはお勧めしない――それだけは言えるわ」
そして男が手に入れた希望をじっと見詰めている間に、少女は夕闇に紛れて姿を消した。
此処に来て見れば見る程に、その細工は同一のデザインの元に作られたと思われた。これがあればこの棚を開けられる――男は手の中の鍵の感触を確かめる。確かにこの手の中にある、と。
だが、問題は少女が言っていた様に、この棚も絵皿も彼の物ではないという事だった。そして老婆は、これは売り物ではないと言う。
例えばどれだけ高い物であったとしても、この金額でなら売る、と言ってくれればそれを目差して仕事に励む事も出来るのだが――男は老婆の顔をそっと窺って溜め息をつく。まぁ、余り非現実的な額を吹っ掛けられても困るが。
「もし……」思い切って、男は声を発した。「もし、鍵が見付かったら、この右端の絵皿だけでも、売って下さる気はありませんか? 棚を移動する手伝いでも、出来る事なら何でもしますから」
老婆は驚いた様子で目を瞬いた。
「あんた、そんなに……。でも、この絵皿は爺さんのお気に入りでね、私も売る気には……悪いね」
意気消沈した男は肩を落として、踵を返した。
その背を、老婆はばつの悪そうな顔で見送った。
それでも、男はそれからも店に足繁く通った。老婆からは呆れられつつも、絵を見られるだけでもいいから、と。だが、その手はいつもポケットの中の鍵を握り締めていた。
「あんたも本当に、その絵が好きだねぇ」苦笑と共に、老婆は言った。「余りにあんたが熱心にその絵皿を見てるもんだから、今日は休む心算だったのに、がっかりしちゃ悪いと思って店を開けちまったよ」
「休む心算って……どこか具合でもお悪いんですか?」そう言えば心なしか、はたきを掛ける姿にもいつもの矍鑠とした様子が見られないな、と男は改めて彼女を観察した。
「ちょっと……ね」曖昧にそう答える老婆の顔色は幾分、蒼い。そして店舗奥から繋がる座敷へ上がろうとして、ぐらりと、身体を傾かせた。
ちょっとどころではなく、具合が悪いんじゃないか!――慌てて駆け寄ろうとして、老婆の顔から血の気が退いているのに気付き、男ははっと脚を止めた。死の影を、そこに見たのだ。
今なら――と、男の中で何かが囁く――今ならあの鍵で棚の扉を開けて、絵皿を奪う事も出来る。元通りに締めて、鍵を始末してしまえば、この雑多な店の中、絵皿一つ無くなった所で誰も気付かないのではないか? そう、この儘、彼女が死んでしまいさえすれば……。
男の手はポケットから、鍵を握った儘外に出されようとした。
が――。
「駄目だ!」低く、しかし強く一言吐き出して、男は鍵の代わりにポケットから携帯電話を取り出して、老婆に駆け寄った。
未だ間に合うかも知れない。素早く緊急通報をした彼は、こちらの気配に気付いて座敷から顔を出した見知らぬ若い女性と顔を見合わせた。
「本当に助かりました。祖母から具合が悪いから店を手伝ってくれと言われて行ったのに、ちょっと夕飯の準備にと思って奥に下がっていたら……。倒れた儘気付かなかったら、取り返しの付かない事になっていました。本当に、有難うございました」病院のナースステーション前の廊下にて、そう勢いよく頭を下げたのは、普段は隣街に住んでいる、老婆の孫娘だった。
老婆は迅速な対応のお陰で一命を取り留め、宛がわれた病室で眠っている。
「いえ、当然の事で……。僕は居合わせただけですから」男は恐縮しつつ、こちらも頭を下げている。
あの場で鍵を使わなくてよかった――その思いが頭の片隅にある。もしあそこで使っていたなら彼女に姿を見られていただろう。悪い事など、出来ないものだ。
やはりあれは、あの鍵は自分の物ではないのだ。
「そう言えば……もしかして、貴方ですか? いつも夕方お店に来て、あの棚の絵皿を見ている方って」
「え、ええ。お婆さんから聞いたんですか?」男は照れ臭さの入り混じった苦笑を浮かべた。
「はい。余りに熱心な方で……。あの人にならあの絵皿、譲ってもいいって思えてきたって、祖母が言ってました。只、鍵が無くて……。本当はね、祖父が亡くなった時に、あの棚の鍵をお棺に入れてしまったそうなんですよ、祖母ったら」
彼女を店迄送っての帰り道、男の頭の中を、色々な言葉の断片が飛び交っていた。
譲ってもいい? でも、それは鍵をお棺にいれる程に大切な人との思い出の品でもあって……。
あの時、一瞬でも迷った僕に、それを受け取る資格なんて――そう頭を振り掛けた彼の耳に、いつかの少女の声が聞こえた。
「迷っても、間違いだと思う方を振り切ったのなら、それでいいんじゃないの?」
夜の街の中、涼しい顔で佇む彼女の姿に、男はポケットから鍵を取り出した。
「それでも……」
「そう。なら仕方ないわね」あっさりと、少女は鍵を受け取った。そしてやはり、いつの間にか姿を消していた。鍵と共に。
数日後、老婆が店に帰って来たという、孫娘からの電話に彼は古道具屋に出向いた。幾日も幾日も通った所為で情が移ったのだろうか、男は心底、彼女の退院を喜んでいた。
「あんたには世話を掛けたね」意外にしっかりした様子で老婆は言い――ポケットから一本の鍵を取り出した。
「それは……!」見覚えのある鍵。男の胸は高鳴った。
「何処の子か知らないんだけど、この鍵を持って来てね。よくよく見たら、あの棚の鍵じゃないか。お棺に入れた筈なのにって驚いてる内に女の子もどこか行っちまって……不思議な事もあるものだよ。でもまぁ、これで、棚が開けられるよ。もう二度と開ける事なんてないと思ってたんだけどね……あんたを見てたら、これは此処に飾ってるより欲しい人に……って思えてきたんだよ」
老婆は鍵を使って棚を開け、右端に飾られていた一枚の絵皿を取り出した。
「これはこの間のお礼。受け取っておくれ。断るのは無しだよ。私は頑固なんだからね」
男は礼を言って、懐かしい故郷に似た風景を内包した絵皿を、大事に受け取った。
* * *
「使う者なき鍵はありすに、使われる鍵はその主の元に……」歌う様に呟いて、少女は自分の元を離れた鍵に手を振った。「主の気が変わったんだもの、君はもう少し、こっちね」
―了―
長くなった~(--;)
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Re:こんばんは
有難う(^-^)
ありすはいつでも大忙し(笑)
踏み止まれるか止まれないか、一瞬の判断と言うか心掛けが人生を左右する事もありますからねぇ。
ありすはいつでも大忙し(笑)
踏み止まれるか止まれないか、一瞬の判断と言うか心掛けが人生を左右する事もありますからねぇ。
Re:こんにちは♪
有難うございます(^-^)
やはり誘惑に打ち勝ってこそ、正当に手に入れる資格があるかと。
もし孫娘に見咎められる事もなく盗めたとしても、罪悪感は一生付いて回りますからね。
やはり誘惑に打ち勝ってこそ、正当に手に入れる資格があるかと。
もし孫娘に見咎められる事もなく盗めたとしても、罪悪感は一生付いて回りますからね。
Re:こんばんは
(笑)
やはり誘惑や悪魔の囁きに乗ってはいかんですな。いずれツケが回ってきます。
ありす? 極秘事項でございます(笑)
やはり誘惑や悪魔の囁きに乗ってはいかんですな。いずれツケが回ってきます。
ありす? 極秘事項でございます(笑)
Re:こんばんは☆
ザ・ターニングポイント(笑)
あの時点での選択次第では怖い事に……(^^;)
あの時点での選択次第では怖い事に……(^^;)
Re:おはよう!
それもアリかも(笑)