[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今日、夜霧先生はふとした思い付きで、夜中――月明かりの下で――の写生を願望された。
当然、いつ何を描こうと、公序良俗に反しない限りは夜霧の自由なのだけれど、問題なのは大抵、僕達がその思い付きにつき合わされるという事だった。
「夜中に女一人で出歩くなんて、流石に嫌だし」同行者を募りつつ、夜霧は言った。「あ、勿論、門限以降の外出許可は私が手配するから。面倒だけど」
じゃあ、止めれば……誰もがそう思っているのは明白だった。
大体、月明かりだけで満足の行く絵が描けるものだろうか。確かにこの学園は山の中にあり、それだけに余計な街灯の明かりに邪魔される事も少ない。学園や寮の灯はあるものの、それとて真夜中には消える。純粋に月や星の明かりを求めるなら、打って付けの場所ではあるのだ。
だが、当然それは暗い山中に付き物の危険も孕んでいて……。こんな所に不埒者も居ないとは思うけれど、整備もされていない足元は、闇に沈めば尚危険。慣れた筈の場所でも、視界が閉ざされるだけで見知らぬ場所にもなる。
だから同行者を、というのも解るけれど……そもそも、そこ迄して一体何が描きたいんだ? 夜霧は。
「そもそも、何処迄行く気なんです?」京が尋ねた。「山の中とか、危険な場所なら先生が行くのも止めますよ?」
そうだ。いっそとんでもなく危険な場所なら、声を大にして反対出来る。
けれど、夜霧はぱたぱたと手を振って、言った。
「あ、そんな遠い所じゃないから。と言うか、亀池屋の裏なんだけど」
『亀池屋?』僕達は声を揃えた。
亀池屋と言えば、学園前の雑貨屋。この学園の教職員、生徒行き付けの店だ。
ある意味目と鼻の先。そんな所に態々夜中に来て迄描こうとする程の物があっただろうか?
と、僕が考え込んでいると、隣の京が軽く手を上げて言った。
自分が同行する、と。
僕等はぽかんとして、天気予報など段取りを相談し始めた二人を眺めていた。
そして結局、今夜が見事な月夜だという事で、京は普段なら先ず出歩かない門限も過ぎた夜中に、出掛けて行った。何故かその手に、カメラを持って、写るかなぁ、などと妙にそわそわと呟きながら。
僕はそれを見送ってから、隣の栗栖の部屋にお邪魔した。
「京は夜霧が何を描こうとしてるか、解ってるのかな?」そう首を傾げる僕に、栗栖は例の柔らかい関西弁で答えてくれた。
「夜霧と京、亀池屋、夜……この条件でよう考えてみ? 共通項があるやろ?」
「共通項……?」
「あの近辺で、あの二人が態々、それもそわそわと夜中に出掛け行くんや。やっぱり、あれやろう」
亀池屋、あの二人、そして夜……思い至った僕は思わず脱力した。
「猫……かぁ……」
件の店周辺には野良猫の家族が住み着いている。餌を上げる人も居る事から、他にもあの辺りをテリトリーとする猫が居ても不思議ではないだろう。
「大方店の裏辺りで猫集会でもあるんとちゃうか」
それで夜霧はそれを描きたいと思い、夜霧同様の猫好きの所為か逸早くそれに気付いた京は――真夜中に寮の纏め役自らが範を乱す事なく外出し、猫が見られる機会と――同行を申し出たという訳か。
「……猫好き……いや、猫バカ二匹……」僕はそう呆れた様に呟いたけれど……二人がどんな猫の絵と写真を持ち帰って来るのか、少し、楽しみだった。
……僕も猫バカ、か?
―了―
短く行こう!(^^;)
ネコ抱くと、ふにゃ~~~~って、なるよね^^;wwwwwwwwww
で、行きつけの喫茶店にネコがいて、たまに抱いて「いぇいぇいぇのいぇぇ~~~~い、いぇいぇいぇのいぇ^^wウンバッ!www」って、あやしてあげると、凄く嫌がられるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ではではーー^^/
特に冬場の猫バカさんのベッド(笑)