〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
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どぉーしても思い出されへん事って、おませんか?
ボケたんやのうて!
例えばの話……
ある大学の山岳部の学生さん達が、他の二校の山岳部員と合同で、あるお山に登らはったんです。六人、三人、四人の合計十三人で。
リーダーは六人おらはるグループの部長のTさんが勤めはる事になり、準備万端整えていざS山へ……へぇ、学生さん達が向こうたんはS山……ベテランさんでもちょっと、天候読み切れんと言われとりますな。あのお山。
でもまぁ、最初は良かったんです。綺麗に晴れとりましてね。珍しい高原植物なんかもあって、よう知らんかった学生さん同士も段々、打ち解けてきて……。それぞれのグループに娘さんも一人か二人、おらはったから、そらにぎやかい事……。
それが山頂近う迄来た時やろか、急に風向きが変わってしもうて、あっちゅう間に霧に囲まれた。
ちょい離れたら互いの顔も見えん真っ白闇です。とは言え山岳部。霧位は経験しとります。Tさんグループは予め決めてあった通りに、同じグループのFさんちゅう娘さんの所に、彼女が振る鈴の音を頼りに集まらはって……他のグループもそれに倣って声掛け合いながら無事集合。
それからは各校で点呼取ったり、相談したりで大わらわ。Tさんも「F居るな。次M!」と声を張り上げて返答があるのを確かめた。
さて全員揃うて相談の果てに、彼等が出したんは……近くの山小屋迄歩いて霧が晴れるのを待つ……。そうゆう結論やったんです……。
その時Fさんどぉーしても、思い出されへん事があった。いや、Fさんだけやのうて皆が……。こんな時注意せなあかん事は確か……?
ボケたんやのうて!
例えばの話……
ある大学の山岳部の学生さん達が、他の二校の山岳部員と合同で、あるお山に登らはったんです。六人、三人、四人の合計十三人で。
リーダーは六人おらはるグループの部長のTさんが勤めはる事になり、準備万端整えていざS山へ……へぇ、学生さん達が向こうたんはS山……ベテランさんでもちょっと、天候読み切れんと言われとりますな。あのお山。
でもまぁ、最初は良かったんです。綺麗に晴れとりましてね。珍しい高原植物なんかもあって、よう知らんかった学生さん同士も段々、打ち解けてきて……。それぞれのグループに娘さんも一人か二人、おらはったから、そらにぎやかい事……。
それが山頂近う迄来た時やろか、急に風向きが変わってしもうて、あっちゅう間に霧に囲まれた。
ちょい離れたら互いの顔も見えん真っ白闇です。とは言え山岳部。霧位は経験しとります。Tさんグループは予め決めてあった通りに、同じグループのFさんちゅう娘さんの所に、彼女が振る鈴の音を頼りに集まらはって……他のグループもそれに倣って声掛け合いながら無事集合。
それからは各校で点呼取ったり、相談したりで大わらわ。Tさんも「F居るな。次M!」と声を張り上げて返答があるのを確かめた。
さて全員揃うて相談の果てに、彼等が出したんは……近くの山小屋迄歩いて霧が晴れるのを待つ……。そうゆう結論やったんです……。
その時Fさんどぉーしても、思い出されへん事があった。いや、Fさんだけやのうて皆が……。こんな時注意せなあかん事は確か……?
思い出されへん内にFさんはTさんに手ぇ引かれて歩き出した。はぐれたら大変や。ぼぉっとしとられへんと付いて行くのに真剣や。
その内娘さんの誰かが、言い出した。
「只歩いてるのも不安だから、しりとりしませんか?」と。
皆も霧で気が鬱いどったんですやろ。何人かが賛成して始める事になりましたんや。声で位置も判るから一石二鳥やゆう事ですな。
先ずTさんが「やまのぼり」で始めた。
りんご、と続くとFさんがさっきの事を思い出しそうになったんですが……直ぐに次の声に消されてしもうて……。怪訝そぉに自分を見るTさんにもせわしのう手ぇ振って何でもないゆう笑いを浮かべただけやった。
そんな間にもしりとりは進み……声が十三人分。
途端……Tさんが顔色を変えはった。いや、Tさんだけやのうて同じ大学の全員が例の鈴を頼りに集まって来ては……Fさんを見たんですわ。
そのFさんも蒼白で、何や自分やないゆう仕草で腕を振ってなはる。
「どうかしたんか?」て他のグループから声が掛かったんやけど……。
Tさんが「おかしい……」言うた。「どれが誰の声か覚え切れてはないけど……二度答えた奴は居ないよね?」て。
Tさんから始まって未だ一巡目。みぃんな違う声やった。数も十三……合うてるやないかと訝しんではるとな、Tさんは言うた。
「Fは口が利けないんだ」と……。
Fさん小さい頃病気で声を失くしてしもうたんやて。せやから鈴付けて、他の者も真っ先に彼女の所に集まるようにしとったんですな。
TさんもずぅっとFさんを見守っとった。はぐれたら助けも呼ばれしませんからな。さて、しかしそうなると……十三人、否十四人目は誰や?
誰かがFさんの代わりに答えた訳でもない――皆違う声やったんですから。
ほな、一体、誰が……?
他の登山客が心細うなって紛れた? 否、周囲には彼等以外おれへんかったし、それなら名乗り出らん理由は無い。
さて、じゃあ誰が知らんお人やろか?
皆そない思うて見回すんですけど、霧の所為か全員一遍に見られへんのです。仕方なし一人一人見ても、知らん顔が無い――否、よぉ知った顔が一人……。
自分の顔やないか!
銘々がそれに気付いて悲鳴を上げるや、てんでに逃げ出しまして……。どうにか踏み止まったTさんやけど、止める間ものぅて手ぇ握っとったFさんだけが傍に佇んではる。二人は仕方なし声と鈴で仲間を呼び寄せようとするんやけど……誰も来ぃへんし、声も返れへん。
と、Fさんが筆談で――〈思い出した!〉
先刻思い出されへんかった事ですな。
〈こんな視界の無い時、歩き回ると真っ直ぐ歩いている心算でも少しずつ、左右どちらか一方に傾いて行って、円を描いて元に戻ってしまう……危険な彷徨に陥る。それが……〉
「リングワンデルング」
そない口にした彼女の顔は……はて、誰やったですかなぁ?
*****
「そんな怪談を聞いてたからだろうね。この店の名がふと、目に付いたのは」佃(つくだ)は笑ってグラスを干す。「リングワンデルングか」
アウトドア愛好者からすれば縁起でもない名前――遭難にも繋がり兼ねない環状彷徨だなんて! ――にも拘らず、落ち着ける店だった。
「何でこんな……と言っては失礼かも知れないが、何故バーの店名に?」佃はカウンターの向こうのマスターに首を傾げる。「真逆、客がぐるーっと回って、また来るように?」
「そんな処ですね」どこか曖昧に、店主は笑う。見た処三十代前半――佃より少し下か。細面の整った顔立ちで、長めの漆黒の髪をきっちりと後ろで括っている。
彼の他は店員が一人――どうも彼の弟らしい――居るだけの小さな店。時間が未だ早い所為か客は少なく、店主は話し相手を務めてくれた。
先日妹から聞いたばかりの怪談が話の種だった。
山に登った学生達があり得ない声を聞き、散り散りに逃げ……陥ってしまった奇禍。
と、常連らしき男が話に加わってきた。
「その話なら、俺も聞いた事があるよ、楡さん」楡庵(にれ・いおり)というのが店主の名らしい。「でも細部が違うみたいだな。顔がどうのこうのってのは無かったな……。俺が聞いたのは結構前だから、その後都市伝説的に変成したのかな?」
噂や都市伝説に尾鰭が付く、もしくは変容する――伝播する内にはよく見られる事だ。
「その代わりと言っちゃあ何だけど……後日談があるんだとさ。詰まり全滅じゃあなかったんだ。ま、全滅してたら誰が話せたんだって突っ込みもあるけどな。兎に角半分は生き残った。ところが……下山後、内一人が事故死、一人が通り魔に殺され――犯人は未だ捕まってないそうだ――残った人達はあの山の〈何か〉か、山で死んだ連中に呪われてるんじゃないか……って、戦々恐々としてる、とそんな話だったな」男は喉を湿らせた。
「それはそれで……何だか生々しいと言うか……」佃は身を震わせた。
「通り魔に遭ったのは口の利けない人だったって説もあるな」
「Fさんですか? 彼女が生きて下山してた……?」
「そういうバリエーションもあるという事ですよ」
噂ってそんなものでしょう、と笑う。
「でもその通り魔が本当だとしたら……」割って入った声に男が振り向く。
「おっ、何か思い付いたかい? 棗(なつめ)君」
楡・弟だ。好奇心の強そうな、大きな眼をした二十代半ばと見える青年だった。
他の客の応対をしながらも聞いていたらしい。
「いえ、本当なら調べてみるのも面白いかな、と思って……って兄さん、睨まないで」
「面白いとは不謹慎ですよ?」睨まないでと言われた割には穏やかに見える顔で庵は言った。「大量殺人に関わるかも知れないのに」
「た、大量殺人!?」思わぬ所から飛び出た物騒な言葉に佃の声のトーンが上がった。常連の男――瀧は平然と……否、面白がっている風だ。「何でそんな……」
「いえ、本当に殺したかったのは誰か一人だけだったのかも知れないんですけど……」佃の問いに棗が答えた。「結果的に十一人を危険に晒し、半数を……そういう事じゃないかと……」
「十一人? 山岳部の学生達の事? 後二人、それに通り魔は?」
混乱する佃に、棗は根気よく説明を続ける。
「通り魔よりこちらが先です。遭難による事故死と見せ掛けて誰かを殺そうとして、態と霧の多い山を選び、パニックを起こすように演出した――濃霧の中で散り散りになって、崖から落ちた死体があれば、先ず普通は事故と判断されるでしょう。実際に突き落とさなくとも崖の近くに誘導する事で足を滑らせるよう仕向けたのかも……。その方が下手に痕跡が残る心配もありませんからね」
「演出って……例の声かい? どうやって? テープレコーダーとか? でもしりとりに合う言葉なんて咄嗟には……」
「そんな手間な事しなくても……」棗はやや呆れ顔で言う。「Fさんの声が治っていれば実に簡単な事ですよ」
「声が……治ってた?」
確かにそれなら十三人で人数と声は合致する。
数と言えば……。
「さっきの十一人は? 残りの内の一人はFだとして……」
「Tさんでしたか? ずっと彼女の傍に居た人。彼女が喋っていないと証言した人でもある――Tさんが共犯でしょう。只……彼女に一生口を噤んでいろと命じたとしても無理な話。恐らく最初から計画の内だったんでしょう。通り魔と見せ掛けて彼女を始末する事も」
「で、でもそれなら最初から狙った人をそうして殺せば済んだんじゃ……」
「標的が男性で、FとTの二人が非力な女性だったら……?」
ぐるり、世界が回った気がした。
彼――話の中、Tがそう呼ばれた事は無い。
「ま、Fの断末魔を聞いた人を探しますか」棗は苦笑した。
―了―
元々しりとりを怪談にしようと考えた話。
なのに何故かシリーズ化します^^
その内娘さんの誰かが、言い出した。
「只歩いてるのも不安だから、しりとりしませんか?」と。
皆も霧で気が鬱いどったんですやろ。何人かが賛成して始める事になりましたんや。声で位置も判るから一石二鳥やゆう事ですな。
先ずTさんが「やまのぼり」で始めた。
りんご、と続くとFさんがさっきの事を思い出しそうになったんですが……直ぐに次の声に消されてしもうて……。怪訝そぉに自分を見るTさんにもせわしのう手ぇ振って何でもないゆう笑いを浮かべただけやった。
そんな間にもしりとりは進み……声が十三人分。
途端……Tさんが顔色を変えはった。いや、Tさんだけやのうて同じ大学の全員が例の鈴を頼りに集まって来ては……Fさんを見たんですわ。
そのFさんも蒼白で、何や自分やないゆう仕草で腕を振ってなはる。
「どうかしたんか?」て他のグループから声が掛かったんやけど……。
Tさんが「おかしい……」言うた。「どれが誰の声か覚え切れてはないけど……二度答えた奴は居ないよね?」て。
Tさんから始まって未だ一巡目。みぃんな違う声やった。数も十三……合うてるやないかと訝しんではるとな、Tさんは言うた。
「Fは口が利けないんだ」と……。
Fさん小さい頃病気で声を失くしてしもうたんやて。せやから鈴付けて、他の者も真っ先に彼女の所に集まるようにしとったんですな。
TさんもずぅっとFさんを見守っとった。はぐれたら助けも呼ばれしませんからな。さて、しかしそうなると……十三人、否十四人目は誰や?
誰かがFさんの代わりに答えた訳でもない――皆違う声やったんですから。
ほな、一体、誰が……?
他の登山客が心細うなって紛れた? 否、周囲には彼等以外おれへんかったし、それなら名乗り出らん理由は無い。
さて、じゃあ誰が知らんお人やろか?
皆そない思うて見回すんですけど、霧の所為か全員一遍に見られへんのです。仕方なし一人一人見ても、知らん顔が無い――否、よぉ知った顔が一人……。
自分の顔やないか!
銘々がそれに気付いて悲鳴を上げるや、てんでに逃げ出しまして……。どうにか踏み止まったTさんやけど、止める間ものぅて手ぇ握っとったFさんだけが傍に佇んではる。二人は仕方なし声と鈴で仲間を呼び寄せようとするんやけど……誰も来ぃへんし、声も返れへん。
と、Fさんが筆談で――〈思い出した!〉
先刻思い出されへんかった事ですな。
〈こんな視界の無い時、歩き回ると真っ直ぐ歩いている心算でも少しずつ、左右どちらか一方に傾いて行って、円を描いて元に戻ってしまう……危険な彷徨に陥る。それが……〉
「リングワンデルング」
そない口にした彼女の顔は……はて、誰やったですかなぁ?
*****
「そんな怪談を聞いてたからだろうね。この店の名がふと、目に付いたのは」佃(つくだ)は笑ってグラスを干す。「リングワンデルングか」
アウトドア愛好者からすれば縁起でもない名前――遭難にも繋がり兼ねない環状彷徨だなんて! ――にも拘らず、落ち着ける店だった。
「何でこんな……と言っては失礼かも知れないが、何故バーの店名に?」佃はカウンターの向こうのマスターに首を傾げる。「真逆、客がぐるーっと回って、また来るように?」
「そんな処ですね」どこか曖昧に、店主は笑う。見た処三十代前半――佃より少し下か。細面の整った顔立ちで、長めの漆黒の髪をきっちりと後ろで括っている。
彼の他は店員が一人――どうも彼の弟らしい――居るだけの小さな店。時間が未だ早い所為か客は少なく、店主は話し相手を務めてくれた。
先日妹から聞いたばかりの怪談が話の種だった。
山に登った学生達があり得ない声を聞き、散り散りに逃げ……陥ってしまった奇禍。
と、常連らしき男が話に加わってきた。
「その話なら、俺も聞いた事があるよ、楡さん」楡庵(にれ・いおり)というのが店主の名らしい。「でも細部が違うみたいだな。顔がどうのこうのってのは無かったな……。俺が聞いたのは結構前だから、その後都市伝説的に変成したのかな?」
噂や都市伝説に尾鰭が付く、もしくは変容する――伝播する内にはよく見られる事だ。
「その代わりと言っちゃあ何だけど……後日談があるんだとさ。詰まり全滅じゃあなかったんだ。ま、全滅してたら誰が話せたんだって突っ込みもあるけどな。兎に角半分は生き残った。ところが……下山後、内一人が事故死、一人が通り魔に殺され――犯人は未だ捕まってないそうだ――残った人達はあの山の〈何か〉か、山で死んだ連中に呪われてるんじゃないか……って、戦々恐々としてる、とそんな話だったな」男は喉を湿らせた。
「それはそれで……何だか生々しいと言うか……」佃は身を震わせた。
「通り魔に遭ったのは口の利けない人だったって説もあるな」
「Fさんですか? 彼女が生きて下山してた……?」
「そういうバリエーションもあるという事ですよ」
噂ってそんなものでしょう、と笑う。
「でもその通り魔が本当だとしたら……」割って入った声に男が振り向く。
「おっ、何か思い付いたかい? 棗(なつめ)君」
楡・弟だ。好奇心の強そうな、大きな眼をした二十代半ばと見える青年だった。
他の客の応対をしながらも聞いていたらしい。
「いえ、本当なら調べてみるのも面白いかな、と思って……って兄さん、睨まないで」
「面白いとは不謹慎ですよ?」睨まないでと言われた割には穏やかに見える顔で庵は言った。「大量殺人に関わるかも知れないのに」
「た、大量殺人!?」思わぬ所から飛び出た物騒な言葉に佃の声のトーンが上がった。常連の男――瀧は平然と……否、面白がっている風だ。「何でそんな……」
「いえ、本当に殺したかったのは誰か一人だけだったのかも知れないんですけど……」佃の問いに棗が答えた。「結果的に十一人を危険に晒し、半数を……そういう事じゃないかと……」
「十一人? 山岳部の学生達の事? 後二人、それに通り魔は?」
混乱する佃に、棗は根気よく説明を続ける。
「通り魔よりこちらが先です。遭難による事故死と見せ掛けて誰かを殺そうとして、態と霧の多い山を選び、パニックを起こすように演出した――濃霧の中で散り散りになって、崖から落ちた死体があれば、先ず普通は事故と判断されるでしょう。実際に突き落とさなくとも崖の近くに誘導する事で足を滑らせるよう仕向けたのかも……。その方が下手に痕跡が残る心配もありませんからね」
「演出って……例の声かい? どうやって? テープレコーダーとか? でもしりとりに合う言葉なんて咄嗟には……」
「そんな手間な事しなくても……」棗はやや呆れ顔で言う。「Fさんの声が治っていれば実に簡単な事ですよ」
「声が……治ってた?」
確かにそれなら十三人で人数と声は合致する。
数と言えば……。
「さっきの十一人は? 残りの内の一人はFだとして……」
「Tさんでしたか? ずっと彼女の傍に居た人。彼女が喋っていないと証言した人でもある――Tさんが共犯でしょう。只……彼女に一生口を噤んでいろと命じたとしても無理な話。恐らく最初から計画の内だったんでしょう。通り魔と見せ掛けて彼女を始末する事も」
「で、でもそれなら最初から狙った人をそうして殺せば済んだんじゃ……」
「標的が男性で、FとTの二人が非力な女性だったら……?」
ぐるり、世界が回った気がした。
彼――話の中、Tがそう呼ばれた事は無い。
「ま、Fの断末魔を聞いた人を探しますか」棗は苦笑した。
―了―
元々しりとりを怪談にしようと考えた話。
なのに何故かシリーズ化します^^
PR
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Re:無題
シリーズ化しております(笑)
この話は元々別掲示板で最初の怪談部分と、謎解きの二回に分けて書いたものだったりします。
新米君ですか? 頭の痛い熟練刑事もヤケ酒呑みにいらっしゃいますか?(笑)
この話は元々別掲示板で最初の怪談部分と、謎解きの二回に分けて書いたものだったりします。
新米君ですか? 頭の痛い熟練刑事もヤケ酒呑みにいらっしゃいますか?(笑)