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足を引っ張られた様な気がした、と彼女は言った。
大通りに跨る古ぼけた歩道橋への階段を上っていて、不意にバランスを崩した時の事だ。慌てて支えた僕の顔を見上げてそう言った彼女の顔は、蒼白だった。
しかし、階段にはこの時、僕と彼女の二人のみ。両脇の手摺の付いた柵は人の手が通る程の間隔を空けて鉄の棒が並んでいるタイプだが、僕達が居たのは直橋の上に辿り着こうかという所――階段の外側から誰かが手を伸ばしても、届く様な高さではなかったのだ。近くに街路樹はあるが、こちらに伸びた枝は細く、とても人が上れる様なものじゃあない。
「気の所為じゃないのかい?」常識的に、僕はそう言った。「足が滑って、咄嗟にパニックで錯覚を起こしたんだよ、きっと」
だが、彼女は頭を振った。
「知ってるでしょ? 私、昔家の階段から落ちた事があるから、絶対に段差の端には足を掛けないようにしてるって。階段が濡れていたなら兎も角、晴天続きで乾き切ったコンクリートの段の上なんて、滑る方が不思議よ」
「それはそうだけど……。こんな所で誰かに足を引っ張られるなんてのも、充分、不思議と言うか、不可能だよ」
「そうだけど……。確かに、誰かの手が足首を掴んだ感触が……」
だが、そう言って検めた彼女の足首には特に異常は見られなかった。
「手形でも付いてたら、すわ幽霊の仕業か! って、写真でも撮ってどこかに売り込むんだけどねぇ」苦笑して、僕は言った。
「ひっどーい」彼女は膨れっ面を作った。「こっちは落ちそうになったんですからね! 笑い事じゃないわよ」
「ごめん、ごめん」慌てて僕は詫び、彼女の手を引いて、残りの段を上がった。
きっと彼女の気の所為だ――この時、僕はそう思っていた。
足が段上を捉えた心算でも、実際にはそうではなかったのだろう、と。
ところが翌日、何と僕自身が、同じ場所で階段から落ちそうになったのだ。
危うく手摺にしがみ付き、事なきを得たものの、一歩間違えば危ない所だった。笑って悪かった――思わず、心の中で彼女に詫びを入れた。
そして……必死に手摺にしがみ付きながら、僕は見たのだった。
僕の足首に絡み付く、人の手に似た形をした、歩道橋傍から伸びる街路樹の葉を。
後から近所の人に聞いた話では、件の木は歩道橋を作る時に無残な程にざっくりと、大きな枝を切り落とされたらしい。
切り離され、地面に横たえられた枝から伸びた葉は、丸で助けを求める人々の手の様だったと言う。
―了―
足元注意ー!
おおーーー!今晩もおトイレ行くのが怖くなったじょー(*゚△゚*; )))ナンデストォー!
枝が手のようだった><;;;;;;キャー!
それは、きっと、カエデだぁー(≧∇≦)ギャー!
カエデー・・・カエセー・・・返せぇーー(((((((((((((( ><;)ぎゃぁぁぁぁーーーー!
↑
ただただ、やかましいnukunukuであった^^;wwww
ではではー^^/
あ、でも街路樹は兎も角、樹海とかだと、長い年月の内に成長に伴って何かをその内部に巻き込んでる樹とか、ありそうかも……。
や、夜霧は常に何かを錯覚していそうですが(笑)
樹も人間の都合で、あっち伐られこっち伐られ……大変ですよね。