〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
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夜空の月が妙に大きく見える。
木々をざわめかせる、生暖かい風が不気味に感じられる。
何となく嫌な予感を覚えて、私は家路を急いだ。
何、ほんの気の所為だ――13日の金曜日だから。昔から縁起の悪い日と言われているから、そんな気になるだけだ。別に私はキリスト教徒じゃあない。それでもジンクスという奴は意外に根深く、大衆の心理に根付いているらしい。
ここ数日、天気は不安定。この風もきっとその影響なのだろう。そう言えば一昨日もこんな天気だったかも知れない。13日だけじゃあない。
そう思って落ち着いたら、ふと苦笑が浮かんだ。
そうだ。13日の金曜日だろうがいつだろうが、只の一日に過ぎないじゃないか。
競歩張りに酷使されていた脚が、自然に緩む。
ああ、落ち着いて見れば月だってくっきりと夜道を照らしてくれているライトの様じゃないの。
ジンクスなんて気にする事ないんだ。
と――。
不意に右肩から背中に掛けて襲った鋭い痛み。
アスファルトに散った、赤黒い染み。
驚いて振り向いた私の目に映った、白いマスク……。
ああ、いつかテレビで見た覚えがある――そう思う間にも、意識は遠退いて行った。
ジンクスという奴は意外に根深く、大衆の心理に根付いているらしい。
私の様に何となく悪い事が起きるのではと恐れるのも、そう。
そして、自ら悪い事を起こす側に回った人間も、また縛られているのだろう。
ジンクスという支配者に。
―了―
あー、頭が回らん(@@)←目が回ってる。
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