〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
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前を走る車が何故だかふと、気になった。
助手席の女性らしき人影、その長い髪が大きく靡いている。
この暑いのに、エアコンを我慢して、風を頼りと窓を開けているのだろうか。外気も焼け付く様だと言うのに。
運転席には短髪の男。恋人との楽しいドライブ中……にしては会話もない様子だ。お互いに見向きさえしない。
女の揺れる髪だけが唯一目立つ動きだった。
と、その車のウインカーが灯ったのを見て、私はスピードを落とす。
直ぐ次の分かれ道で車は左折した。
何気なく目で追った助手席側の窓は……ぴたりと閉まっていた。
え……?
いつの間にか窓を閉めたのかと、一瞬思った。が……女の髪は変わらず、大きく靡いている。エアコンの風の所為とは思えない程。
いや、よくよく見れば、寧ろその動きは丸で水中に揺らめき、のた打つ様で……。じっとりと重く、水を含んでいる様に見えた。
去って行く車の後ろを見送りながら、私はその車が気になった理由に思い当たった。
外はかんかん照り。雨雲一つも見当たらず、どこかで夕立に遭遇したとしても、直ぐに乾いてしまうだろう。そんな天気にも拘わらず、件の車は……今しも水から引き上げられたかの様に、ずぶ濡れだったのだ。
ナンバープレートは、錆と苔で読み取れなかった……。
―了―
運転中、こんなん考えてて大丈夫か?(-_-;)
助手席の女性らしき人影、その長い髪が大きく靡いている。
この暑いのに、エアコンを我慢して、風を頼りと窓を開けているのだろうか。外気も焼け付く様だと言うのに。
運転席には短髪の男。恋人との楽しいドライブ中……にしては会話もない様子だ。お互いに見向きさえしない。
女の揺れる髪だけが唯一目立つ動きだった。
と、その車のウインカーが灯ったのを見て、私はスピードを落とす。
直ぐ次の分かれ道で車は左折した。
何気なく目で追った助手席側の窓は……ぴたりと閉まっていた。
え……?
いつの間にか窓を閉めたのかと、一瞬思った。が……女の髪は変わらず、大きく靡いている。エアコンの風の所為とは思えない程。
いや、よくよく見れば、寧ろその動きは丸で水中に揺らめき、のた打つ様で……。じっとりと重く、水を含んでいる様に見えた。
去って行く車の後ろを見送りながら、私はその車が気になった理由に思い当たった。
外はかんかん照り。雨雲一つも見当たらず、どこかで夕立に遭遇したとしても、直ぐに乾いてしまうだろう。そんな天気にも拘わらず、件の車は……今しも水から引き上げられたかの様に、ずぶ濡れだったのだ。
ナンバープレートは、錆と苔で読み取れなかった……。
―了―
運転中、こんなん考えてて大丈夫か?(-_-;)
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