〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
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夢現……どこかで猫が鳴いている。
か細く幼い声音に、私はあの子を思い出す。
うちで産まれた兄弟の中で、一番ちっちゃくてか細かったトラ猫。兄弟が次々と貰われて行く中、やはりその弱々しさから残った子猫。
もしかしたら、あれはあの子が私を呼んでいる声?
いや、そんな筈はない。あれはもう何年も前の事だもの。あの子はもう……。
「ぶにゃあ」野太い声が私の眠りに割り込んだ。
それでもぼんやりしていると、柔らかくも重量感のある物体が毛布の上からのし掛かって来る。私は慌てて身を起こした。
気が付けばやはり夢であったのか、先程のか細い猫の声はもう聞こえない。
代わりに聞こえるのは……。
「ぶにゃあ」猫にあるまじき足音を立ててベッドから降り立ったそれは、再度、鳴いた。朝食の催促だ。
そう、夢だったのだ。
か細く幼い子猫はもう居ない。
重量感のある身体を揺らしてキッチンへと私を引き立てて行くトラ猫の後ろ姿に、私はそっと溜め息を漏らした。
――数年前、その余りの弱々しさに思わずごはんを与え過ぎてしまった私は……新たに設けられた「動物愛護に基づく健康管理法――第九条、健康を損ねる恐れが生じる食生活の禁止」に則り、責任を持ってこの子を適正体重に持っていかなければならない。それが先の「管理法」を破った飼い主への罰則。
このトラ猫が痩せる迄……私は此処から出られない。
―了―
携帯更新。
や、これは勿論フィクションですが、ごはん貰えば貰っただけ食べてしまいがちなペットの健康管理は、飼い主さんの大事なお仕事ですよね(^_^;)
か細く幼い声音に、私はあの子を思い出す。
うちで産まれた兄弟の中で、一番ちっちゃくてか細かったトラ猫。兄弟が次々と貰われて行く中、やはりその弱々しさから残った子猫。
もしかしたら、あれはあの子が私を呼んでいる声?
いや、そんな筈はない。あれはもう何年も前の事だもの。あの子はもう……。
「ぶにゃあ」野太い声が私の眠りに割り込んだ。
それでもぼんやりしていると、柔らかくも重量感のある物体が毛布の上からのし掛かって来る。私は慌てて身を起こした。
気が付けばやはり夢であったのか、先程のか細い猫の声はもう聞こえない。
代わりに聞こえるのは……。
「ぶにゃあ」猫にあるまじき足音を立ててベッドから降り立ったそれは、再度、鳴いた。朝食の催促だ。
そう、夢だったのだ。
か細く幼い子猫はもう居ない。
重量感のある身体を揺らしてキッチンへと私を引き立てて行くトラ猫の後ろ姿に、私はそっと溜め息を漏らした。
――数年前、その余りの弱々しさに思わずごはんを与え過ぎてしまった私は……新たに設けられた「動物愛護に基づく健康管理法――第九条、健康を損ねる恐れが生じる食生活の禁止」に則り、責任を持ってこの子を適正体重に持っていかなければならない。それが先の「管理法」を破った飼い主への罰則。
このトラ猫が痩せる迄……私は此処から出られない。
―了―
携帯更新。
や、これは勿論フィクションですが、ごはん貰えば貰っただけ食べてしまいがちなペットの健康管理は、飼い主さんの大事なお仕事ですよね(^_^;)
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Re:無題
レス、遅くなりましたm(_ _)m
ああ、それは……出来そうかも(^^;)
ペットの管理も甘い人は、多分自分にも甘いと思う……。
ああ、それは……出来そうかも(^^;)
ペットの管理も甘い人は、多分自分にも甘いと思う……。