〈2007年9月16日開設〉
これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。
尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。
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夜霧は、いつかの子猫の事は他の先生達には連絡しなかった筈じゃなかっただろうか?
もういつ頃だったのか、僕達の担任の夜霧――夜原霧枝先生――が無断で遅刻して迄、校内で保護した真っ白な子猫。マンション暮らしで飼えない夜霧に替わり、後輩達の手も借りて里親を探し、無事に引き渡した。
でもその一連の事柄は、気分屋でプライドの高い夜霧は他の先生達には話していない筈だった。照れ臭かったのかも知れない。
ところが最近になって、その時の話が先生方の間に広まったらしい気配があると言う。
もういつ頃だったのか、僕達の担任の夜霧――夜原霧枝先生――が無断で遅刻して迄、校内で保護した真っ白な子猫。マンション暮らしで飼えない夜霧に替わり、後輩達の手も借りて里親を探し、無事に引き渡した。
でもその一連の事柄は、気分屋でプライドの高い夜霧は他の先生達には話していない筈だった。照れ臭かったのかも知れない。
ところが最近になって、その時の話が先生方の間に広まったらしい気配があると言う。
「はっきりとは言わないのよ。只、これ迄殆ど口も利いた事が無かった新任教師からも妙に親しげに猫の話題を振られたり、教頭からも『夜原先生も意外な所が……』とか、口を滑らせた風に言われたり……。何なの? って感じなんだけど」頬杖付いて、夜霧は言った。
因みに此処は美術準備室。そして彼女の前に並んでいるのは僕を含めて、あの時の猫の里親探しに加わっていた六人だ。すなわち、僕、双子の兄の真田京、知多勇輝、間宮栗栖、そして後輩の大田と宮原。担任として馴染みの深い僕達は兎も角、後輩達は気分屋夜霧を前に、些か緊張気味だ。
「あの時の事は結局誰にも話さなかったわよね?」どこか牽制する様に、夜霧は言った。
「言ってませんよ」一番に答えたのは京だった。追随する様に、僕達も首肯で応じる。勇輝なんぞは片手を上げて宣誓のポーズ。後輩達もおどおどと頷いている。
ならいいけど――と引き下がる夜霧。
「別にいいじゃないですか。猫好きの優しい先生で」僕が首を傾げながら言うと、夜霧は頭を振った。
「やめてよ、柄じゃない」やっぱり、照れ臭いらしい。
そして「もういいわ」の一言で、僕達は準備室を追い出された。
「まぁ、言うてはないわな」暫く廊下を歩いて、栗栖が呟く様に言った。「大田君と宮原君」
そこでやっと僕は思い至った。大田と宮原が里親探しを呼び掛けたのはネットだ。正確には彼等の立ち上げたブログ。以前にも猫の里親探しをした事もあったけど、普段からそんな記事ばかりじゃあないだろう。恐らくはもっと日常の事も……。
「せやけど、知ってる人が見たら誰やと判る程詳しく書くんはちょっと考えもんやな。要らんトラブルに巻き込まれる事もあるし」
「はい……」二人の後輩は神妙に頷いている。
「普段怖い先生が何だかあの時は優しくて……それが嬉しくて、つい記事としてアップしちゃったんです」と、大田。
「まぁ、夜霧が君等のブログに行き当たるかどうかは解らへんし」栗栖は苦笑して言った。「この話も言わない、書かないっちゅう事で……京もそれでええか?」
眉間に皺寄せる僕の兄貴に、栗栖は質した。
京は一つ、わざとらしい程長い溜め息をつくと、肩を竦めた。
「今更言った所でどうなるものでもないんだろう? 但し! 以降は二人共注意するように!」しっかり、釘は差す。
夜霧同様扱い難い――と、彼等は思っているに違いない――人物からの意外にあっさりした御赦免に喜んだ彼等が口を、いや、キーを叩く指を滑らせない事を祈る。
―了―
こんなんなりましたけど(笑)
流石に校内にごろごろ猫を増やすのは……どんな学校やねん(^^;)
因みに此処は美術準備室。そして彼女の前に並んでいるのは僕を含めて、あの時の猫の里親探しに加わっていた六人だ。すなわち、僕、双子の兄の真田京、知多勇輝、間宮栗栖、そして後輩の大田と宮原。担任として馴染みの深い僕達は兎も角、後輩達は気分屋夜霧を前に、些か緊張気味だ。
「あの時の事は結局誰にも話さなかったわよね?」どこか牽制する様に、夜霧は言った。
「言ってませんよ」一番に答えたのは京だった。追随する様に、僕達も首肯で応じる。勇輝なんぞは片手を上げて宣誓のポーズ。後輩達もおどおどと頷いている。
ならいいけど――と引き下がる夜霧。
「別にいいじゃないですか。猫好きの優しい先生で」僕が首を傾げながら言うと、夜霧は頭を振った。
「やめてよ、柄じゃない」やっぱり、照れ臭いらしい。
そして「もういいわ」の一言で、僕達は準備室を追い出された。
「まぁ、言うてはないわな」暫く廊下を歩いて、栗栖が呟く様に言った。「大田君と宮原君」
そこでやっと僕は思い至った。大田と宮原が里親探しを呼び掛けたのはネットだ。正確には彼等の立ち上げたブログ。以前にも猫の里親探しをした事もあったけど、普段からそんな記事ばかりじゃあないだろう。恐らくはもっと日常の事も……。
「せやけど、知ってる人が見たら誰やと判る程詳しく書くんはちょっと考えもんやな。要らんトラブルに巻き込まれる事もあるし」
「はい……」二人の後輩は神妙に頷いている。
「普段怖い先生が何だかあの時は優しくて……それが嬉しくて、つい記事としてアップしちゃったんです」と、大田。
「まぁ、夜霧が君等のブログに行き当たるかどうかは解らへんし」栗栖は苦笑して言った。「この話も言わない、書かないっちゅう事で……京もそれでええか?」
眉間に皺寄せる僕の兄貴に、栗栖は質した。
京は一つ、わざとらしい程長い溜め息をつくと、肩を竦めた。
「今更言った所でどうなるものでもないんだろう? 但し! 以降は二人共注意するように!」しっかり、釘は差す。
夜霧同様扱い難い――と、彼等は思っているに違いない――人物からの意外にあっさりした御赦免に喜んだ彼等が口を、いや、キーを叩く指を滑らせない事を祈る。
―了―
こんなんなりましたけど(笑)
流石に校内にごろごろ猫を増やすのは……どんな学校やねん(^^;)
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Re:こんばんは
いえいえ(^^;)
なかなか話が纏まらなかったり、オチが今一つだったり……。自分でも納得行く話は難しいです。
なかなか話が纏まらなかったり、オチが今一つだったり……。自分でも納得行く話は難しいです。
Re:おはようございます☆
猫、また増殖したらまた里親探ししなきゃ(^^;)
それか夜霧に頑張って貰って、猫OKな所に引っ越させるか!(笑)
それか夜霧に頑張って貰って、猫OKな所に引っ越させるか!(笑)
こんにちは
実際のところ、知っている人がたまたまブログを見つけることなんてあるのかなぁ。
だったら、私はヤバイかも~。(笑)
それにしても、まぁ、上手いこと前に書いた記事に重ね合わしたものだねぇ~。
感心するわ~。(笑)
だったら、私はヤバイかも~。(笑)
それにしても、まぁ、上手いこと前に書いた記事に重ね合わしたものだねぇ~。
感心するわ~。(笑)
Re:こんにちは
一応連作短編を目指してみる(笑)
知り合いが偶々見付ける可能性……どうなんでしょうね?
ブログ村みたいに地域を登録する所から辿って行くと、意外にご近所さんが居たりするかも?
知り合いが偶々見付ける可能性……どうなんでしょうね?
ブログ村みたいに地域を登録する所から辿って行くと、意外にご近所さんが居たりするかも?
Re:おぉ!流石ですねぇ~♪
有難う~(^^)
誰が見てるか解らない、けどついついその日にあった事とか、書いちゃいますよね~。特に日記ブログだと。
誰が見てるか解らない、けどついついその日にあった事とか、書いちゃいますよね~。特に日記ブログだと。
Re:こんばんは!
や、普段は「KYな先生が居てさー」とか書かれてるかも知れませんよ?(笑)
Re:無題
風邪大丈夫ですかー?
無理しないで下さいね☆
間宮栗栖……何をどこ迄知っているのか(笑)
無理しないで下さいね☆
間宮栗栖……何をどこ迄知っているのか(笑)
こんばんは
いい噂(?)なんやから別にいったい誰がなんて大事に(でもないか)する事ないしめんどくさい先生やなぁそれもプライドなのか(笑)
しかし、誰がそのブログ発見したんやろ?気になる
あたしなんかどんなけ勘違いからくる勝手な思い込みのおかげで不愉快な思いしてるか
しかし、誰がそのブログ発見したんやろ?気になる
あたしなんかどんなけ勘違いからくる勝手な思い込みのおかげで不愉快な思いしてるか
Re:こんばんは
元が夜霧ですから、そりゃもう、めんどくさいですよ(笑)
なっちさん、普段周りの人からどういう風に見られてるんだろ(^^;)
なっちさん、普段周りの人からどういう風に見られてるんだろ(^^;)