『拒否』

　ユウは昨日、我が家より巽――東南――の方角にある、紫陽花公園への散歩も拒否した。いつもなら、私が誘えば喜んで付いて来ると言うのに。
「具合でも悪いの？」その言葉にも返答どころか何の反応も示さない。
　やはり具合でも悪いのだろうか？――私の心配も余所に、自分のベッドに潜り込んでしまったユウに、私は眉根を寄せる。無理にでも、病院へ連れて行かなきゃ駄目かな。嫌がるだろうけど。
　それでも様子を窺うと、呼吸も安定し、安らかな顔で眠っている。朝の食欲もいつもと変わりなかった。特に具合が悪そうな素振りは一切、見られなかったのだ。
　もう少し、様子を見ようか――私はそっと、ベッドから離れた。
　重く、そして暗く雲に覆われた空からは、雨が降っている。だから外に出たくないのかも知れない。何処からか遠雷の音も、絶え間ない雨音に混じっている様だ。
　私だって、こんな日に外に出たくはない。
　夕方、少し雨が止んだ頃に起きて来たユウは、上機嫌で私におやつをねだった。いつもの、ユウだった。

　そして今朝、私は新聞の記事で知った。
　件の紫陽花公園で、あの儘出発していれば丁度私達が到着しただろう時刻、公園入り口に立つ楠の大樹に落雷し、真っ二つに割れて出火した木が辺りに惨状を齎していた事を。
　流石に雨の公園を散歩する者は居なかったお陰で人的被害はなかったそうだが、もし、私達が行っていたら……。
「ユウ？　もしかして……解ってたの？」真逆と首を傾げつつ問い掛ける私に、今日のユウはけろりとした顔でお気に入りのリード紐を口に銜えて差し出した。私がそれを受け取ると、やはり上機嫌で尻尾を振り振り、期待を込めた目で私を見上げて一声。
「ワン！」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―了―

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　ねーむーいー（－－；）
　サッカー、特に好きでもないんだけど、ついつい徹夜しちゃったよ。
　や、見始めたら寝られなくなっちゃって（＾＾；）