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〈2007年9月16日開設〉 これ迄の小説等、纏めてみたいかと思います。主にミステリー系です。 尚、文責・著作権は、巽にあります。無断転載等はお断り致します(する程のものも無いですが)。 絵師様が描いて下さった絵に関しましても、著作権はそれぞれの絵師様に帰属します。無断転載は禁止です。
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 点々と川面を流れ来る紅葉を見詰めて、亜季は溜息を漏らした。
 川底の白い石迄も見える透明な水と紅の対比の美しさに対する感嘆、昨夜の出来事に対する愁嘆、そして自らのこれからに対する慨嘆。それらが入り混じった、長い溜息を。
 朝の光の中、森は只静かに彼女を包み込む。耳に付くのは穏やかな水音と葉擦れの音、そして時折鳥や小動物が立てる声音だけだ。
 この儘、この風景の一部になってしまえたらいいのに――冷たい川の水を両掌に一掬いしつつ、亜季はその水に溶けてしまいたかった。だが、それは到底無理な事。ぱしゃりと音を立てて、亜季はその手が痺れそうな程冷たい水で、腫れぼったくなった顔を洗った。気持ちいい。
 此処にこうしていても仕方ない、と彼女は痛む足を奮い立たせて人が居ると思われる方へと、歩き出した。

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 そうそう、もう一度だけ、あんたの罪については、話したいなぁ。
 そう嫌な顔しなさんな。
 多分これで最後だから……。

 俺が十一か二だったから……五十年程前だっけ? 大叔母の家に初めて親族一同が集まったのは。
 姉である俺等の祖母とも早くに縁を切り、ずっと独りで暮らしてきたって言う大叔母から手紙を貰った時は、正直ピンと来なかったよなぁ。親父達でさえ、訝しそうにしてた。本物だろうか、本物だとしても今頃何の用だろうか、とね。
 それでも結局俺達の家族――俺と両親、そしてあんたとその両親と妹――だけは集まったのは……お互い、欲が深かったのかねぇ。
 祖母の実家はその当時としては裕福な方だった。祖母は金の無い男に嫁いで、家の援助を受けるのも遠慮していたけれど、もしかしたら大叔母はそれらの財産を継いでいて、この招待は遺産相続に関与しているのかも知れない――そんな夢を見てしまったのかもな。実際、大叔母は嫁ぎもせず、子供も居ないという話だった。当時の六十代と言えばもしもの時の事を考えて、遺産の行き先を考えてもおかしくない歳だったしな。
 そうして訪ねた大叔母の家は、想像した通りの豪邸でこそなかったけれど、置かれた調度品は質も良くて、いい暮らしをしている事が窺えた。あんただって、俺と一緒にはしゃいでたじゃないか。壷だとか絵だとかを見ては幾ら位するんだろうって。
 そしてそんな大叔母が親族を集めた理由は、案の定、それらの財産の先行きについて、だった。

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「いや、お待たせ致しました」
「生憎と、待っちゃいませんよ。遅刻の常習者なんて」

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「今日も晴れそうにはないわね」ベランダに立って夜空を見上げていると、姉が隣に並んでそう言った。
 無言の儘、僕は頷いた。目だけは、厚く蟠る雲を恨めしい思いで睨みながら。
「冷えてきたわね。いい加減中に入ろう?」
「もう少し」
「風邪ひいちゃうよ?」そう言いながら、姉は僕の部屋から持って来たのだろう、僕の上着を肩に掛けてくれた。僕が直ぐには中に入らない事など、既に予想済みだったのだろう。
「ありがと」ぽつりと呟いて、僕はやはり空を見上げる。
「今夜は立待月だね」同じ様に空を見上げて、姉が言った。
「え?」聞き慣れない言葉に、僕は訊き返す。
「お月様が出て来るのを、立って待つ――だから立待月。十五夜、十六夜、立待月、居待ち月、臥待ち月、更待ち月……段々お月様の出て来るのが遅くなるんだね。それでも見たくて月の出を待つ……のかな?」姉は微苦笑を浮かべる。「でも、あんたがそんなにお月見に拘るとは思わなかったんだけどね? 確かに十五夜以降ずっと曇り空で、お月見出来てないけど」
 そんなに月が好きだった? と言う姉の問いに、僕は小さく頭を振った。
「特別に月が好きって訳じゃないんだ。去年のお月見なんて、母さんがあんまり綺麗だって言うからちらっと見ただけで、お団子食べてただけだったし」
「そうだったわね」姉はころころと笑う。
 でも、じゃあ今年はどういう風の吹き回し?――姉の問いは止まない。
 僕はちょっと溜息をついてみせた。

「大した理由じゃないよ。友達と約束したんだ。一緒にお月見しようって」
「あら、じゃあそのお友達は?」姉は首を傾げる。「晴れたら来る――か、行く――約束なの? だから晴れるの待ってるの?」
 もしかして、女の子? と、姉の目がにやける。月明かりの下でデートなんてロマンティックよね、子供の癖に――そう言う口調に、どこかやっかみが感じられる。
 だが、僕は頭を振った。
「そんなんじゃないよ。ほら、覚えてないかな。この間転校して行ったって話した子。前にうちに遊びに来た事もあったんだけど。確か、姉ちゃんもその時、居た筈だよ」
「どの子かな? あんた、意外と友達多いから……」
「ほら、前に僕の部屋で音楽掛けたらうっかり大音量になっちゃって、姉ちゃんが怒鳴って来た時……あの時居た子だよ」
「ああ……」姉は思い出した様だった。「何だ、男の子か。何か、大人しい子だったわよね。話す時に相手の顔をまともに見ないから、ちょっと暗い子なのかなって思った覚えがあるわ。そう、あの子転校しちゃったの」
 それでせめて、同じ月を眺めようって約束したの?――その姉の問いに、僕は曖昧に頷いた。
「あのね、姉ちゃん。あの子が人の顔を見ないのって、別に性格の所為じゃないよ。本当は明るい子だし」
「そうなの?」
「うん。とっても明るい……強い子だよ」僕は頷いた。「小さい頃に事故に遭った所為で目が見えなくても全然拗ねた所とかなくて、いつも頑張ってた」
「目が……」姉が小さく息を呑んだ。「だから、人の顔を見なかったのね……。誤解してたわ」
 ごめんなさい、と此処に居ない僕の友達に口の中で謝っている。
「それでね、その子が今度遠くの大きな病院で検査を受けたんだ。そしたら、もしかしたら手術で見えるようになるかも知れないって……。だから転校もそこに通院する為なんだって」
「そう……。成功するといいわね」
「うん……実はその手術はもう済んでるんだよ。後は状態を見ながら包帯が外れるのを待っているそうなんだ。それで、もうそろそろ……十五夜の頃には外れそうだって、この間電話で聞いてね、だったら、一緒にお月見をしようって僕が言ったんだ。だからあの子も、月が見えたら、また電話するって」
 なのに月は未だ現れない。電話もない。
 月に拘らなくたって、ちゃんと治ったのなら報せてくれてもいいのだけれど……彼も約束に拘っているのだろう。
 そう、決して失敗したからじゃない――僕はそう信じていたかったのかも知れない。
 だから、曇り空を見て、実は安堵していたんだ。電話がないのはこの雲に遮られて、月が見えないからだと。

 翌朝、昨夜の雲は嘘の様にどこかへ散っていた。天気予報でも、今夜は晴れそうだと言っていた。
 今夜――月は見えるのだろうか。
 僕の目にも、彼の目にも。

 夜、僕は祈る様な思いでベランダに出た。
 皓々と光る月が、僕を照ら出す。
 柔らかく、穏やかな光。だが、僕の心中はじりじりと焼け付きそうだった。
 電話は未だ――否。
 家の奥でベルが鳴るのを、僕の耳は確かに捉えた。
 そして姉の応対と、僕に子機を届けに来る軽やかな足音。弾んだ声は、電話の向こうから伝染したものだろうか。
 僕は月を見上げ、今度こそ、その優しい光を愉しんだ。

                      ―了―

 お月見にも色々あるもんです☆

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「あ、またここに鏡を置きっ放しにしてる」一瞬ぎくりとした事を誤魔化す様に、私は頬を膨らませた。「麻由美、お洒落に気を遣うんなら、後始末にも気を遣いなさいよ」
 玄関の方から、朝は忙しいのーっ、と妹の麻由美の声。続いてドアの開閉音。毎度の事だけれど妹の朝を忙しくしているのは、高校が遠い事以上にこの洗面所に立っている三十分間だと思う。
 やれやれと肩を竦めつつ、洗面台の鏡と対面になるように置かれた鏡を、家族銘々に割り振られた棚の麻由美の所にしまう。うちには三面鏡が無い。しかし、後ろ髪が気になるからと、麻由美は合わせ鏡にして背面を見ているのだ。
 そして私は合わせ鏡が嫌いだった。

 私が幼い頃、うちには三面鏡があった。当時赤ん坊だった麻由美は覚えていないかも知れないけれど。
 私は鏡に向かい、両脇の鏡の角度を変えては、飽きもせず無数に映し出される不思議な光景に見入っていた。そうしている間は、ぎゃあぎゃあと煩く泣いては母を独り占めする妹の存在を忘れていられた、その所為もあったかも知れない。
 視界には私一人しか居なかったから。
 自分が一杯居る……一体何人居るんだろう?――そう思って数えた事もあった。結局直ぐに目が惑わされ、最後迄数え遂せた事はなかったけれど。
 ある日、自分の後ろ頭に何かが付いているのが目に付いた。但し、何故かそれを映し出しているのは正面の鏡に映った無数の鏡の中のたった一枚だけ。ほぼ同じ角度から映っている他の鏡には只、私の黒い髪が映っているだけだった。
 何だろう。と私はその一枚を凝視した。けれど、よくよく見ようと身を乗り出せば角度が変わってそれは映らなくなり、慌てて姿勢を戻せばやはりよく見えない。もどかしさに幼い私は苛立った。
 それでもどうにか目の焦点を合わせた時――私は見た事を後悔した。
 私の後ろ頭に付いていたもの、それは一本の角、だった。
 骨の様に白くて、針の様に鋭い、そして幼心にも酷く禍々しく見えたのを覚えている。触れるもの全てを傷付けてしまいそうで、手で確かめるのも怖くて出来なかった。
 どうしてこんなものが私の頭に――怖くて泣きそうになりながら母を求め、鏡を離れて振り返った時、私は気付いた。
 角が映っていた一枚の鏡、それは私斜め右で、その方向には妹のベビーベッドがあった事に。
「……麻由美ちゃん、静かにしようね」そっと立って近付き、むずかる妹の頭をそぉっと撫でる。「あんたばっかり……お母さんを独り占めしたら、ずるいんだからね」
 幼心に育った嫉妬の棘、それがあの白い角だったのかも知れないと、私は妙に納得し、姉として自分がどれ程自分自身を抑え込んでいたのかも、自覚した。
 けれど、不思議とそれを自覚してしまうと、私の苛立ちは消えた。
 もしかしたらあの頃の苛立ちは鏡に映った何かが見切れない、あのもどかしさに似ていたかも知れない。はっきりと見えてしまえば苛立ちは解消される。
 後に残るのは、自分の中に妹をも傷付け兼ねない鋭い角があるという、恐怖のみ……。

 以来、妹の面倒もよく見て、仲良し姉妹として育ってきた。
 それでも、私はそれ以来三面鏡に見入る事がなくなった。合わせ鏡も避けた。
 私の中の角がどうなっているのか――未だにあるのか、それとも更に成長しているのか?――見てしまうのが恐ろしくて。

                      ―了―

 合わせ鏡……何か無数にある一枚位、おかしなものが映ってそうな気がしません?(^^;)

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 鈴が鳴る。
 窓の外を行ったり来たり。
 右へチリチリ、左へチリン。
 きっとあの子だと私は思う。
 けれど身体が動かない。カーテンを、窓を開けて確かめる事が出来ない。
 ベッドの中で息を潜めているだけだ。
 金縛りなんて只、脳と身体の休眠状態がずれただけの事、と自分に言い聞かせてみるけれど、ならば窓の外から感じる圧迫感は何だろう? この寒気は……?
 それでもきっと大丈夫、と私は信じていた。
 チリチリ、チリン……。
 あれはあの子の鈴の音。首輪に付けた鈴の音。
 音が移動する度に、圧迫感は消えて行く。
 そうしていつしか深い眠りに、私の意識は落ちて行く……。

 翌朝、私は恐る恐る窓を開けた。古アパートの裏側に面した窓には殆ど陽も差さず、下は用水路、直ぐ傍には隣の壁が迫っている。そこには何者の姿も無く、また痕跡も無かった。
 私は少しほっとしつつ、辛うじて植木鉢が置ける程の出っ張りでしかない窓の柵に、そっと器を乗せた。
 と、どこからともなく……。
 チリチリ、チリン。
 軽やかな鈴の音と共に、足音も立てずにあの子はやって来た。
 黒豹を小さくした様な、精悍な黒猫。首輪には金の鈴――私が付けて上げた物だ。
 かれこれ、二十年以上前に。

 かつて愛用していた器を覗き込み、昔好きだった餌を前に喉を鳴らす。
 生前、そうしていた様に。
「お前、今でも私を守ってくれているの? 有難うね」
 チリン、と音を立てて黒猫は身を翻し、もう一度だけ、振り返った。
 またね、と言う様に目を細めて。

                      ―了―

 短めに行きます。
 

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「そんな花を摘んで帰って来るものじゃないよ」
 縮れながらも細長く伸びた花弁、更に細く長く伸びたおしべとめしべ、葉の一枚も無い茎の先に灯った炎の様に紅い花。とある秋の夕暮れ、道端に咲くその鮮やかな紅に惹かれて採って帰ると、庭先に居た母はそう言って軽く眉根を寄せた。
「どうして? 綺麗なのに」花が好きな母は喜んでくれるだろうと思っていた私は、その表情に思わずしゅんとなる。
 その思いに気づいたのか母は僅かに表情を和らげつつも、説明してくれた。
「まぁ、その鮮やかな紅い色が炎を連想させるからなんだろうけどね、昔はその花を摘んで家に持ち帰るとその家は火事になるって言われていたんだよ」
「そうなの?」私は目を丸くした。
「勿論迷信だけどね」母は苦笑する。「異名を死人花、地獄花、捨て子花……余りいい呼び名を持たないね、その花は。綺麗な花なんだけどねぇ」
「ふぅん……」そんな話を聞いた私は、何となくそれを家に持ち込む事に薄気味の悪さを感じ、庭に植えようかと思って根の付いた儘にしてきた花の束を、庭の片隅にそっと放置した。
「さ、もう夕飯の支度をするから、手をよく洗っておいで」母はそう言って、家に入って行った。
 私は頷き、続いて家に入ると先ず洗面所へと向かった。

「……!」家が火事になった夢を見て、私は真っ暗な部屋の中、がばりと身を起こした。ひんやりとした空気に思わず身を震わせつつ、そこに火事の兆候が全く無い事にほっとする。
 時計を見れば午前二時。もう父は帰って来たのだろうか? 夜遊びばかりしている父の事など、もう心配するのも止めてしまったけれど。
 火事の夢を見るなんて、夕方あんな話を聞いたからだ。やっぱりあんな花、摘んで帰るんじゃなかった――そんな事を思いつつ、喉の渇きを覚えた私は水でも飲んで来ようと部屋を出た。夢の中ではずっと悲鳴を上げていた。もしかしたら実際にも、声を上げていたのかも知れない。
 それにしては隣の部屋の母も――余程深く寝入っているのだろうか――起こしにも来なかったけれど。
 と、向かった台所には未だ灯が点いていた。食器を洗っているらしい水音もする。
 何だ、未だ起きてたんだ。もしかして、今頃父が帰って来て、夜食でも食べさせていたのかも知れない。
 そう思うと私の足は鈍った。この時間に帰って来た父の顔なんて見たくない。お酒の所為で赤く逆上せ上がって、眼はとろんとして……その癖、ちょっとした事でかっとなっては、母に手を上げる。普段の父は大人しいだけに、私にはその豹変振りは恐ろしかった。
 渇いた喉を唾を飲み込んで湿そうとしたけれど、口の中もからからだと、却って自覚しただけだった。
 この際、洗面所に――と踵を返そうとした時だった。台所から、呂律の回らない父の声が聞こえてきた。

「お前……何故……」なじぇ、と聞こえたけれど、そう言っているのは解った。「何を……食わせたんだ……?」
浅葱あさつきって言ったでしょ」そう言う母の声は落ち着いて、静かだった。
「何を……混ぜ……」言葉にし切れず、苦しげに噎せる。やがてそれは掠れた様な息となり、最早言葉をなさなくなった。
「何も混ぜてやしないわ。私は道端に生えていたのを摘んで来て、夜食に料理しただけ。どうかしたの?」
 母の声は静かで……余りにも静かで、私は喉の渇きも忘れてそっと後退りした。目からぽろぽろと、知らず知らず涙が零れる。私は悲しいのだろうか、怖いのだろうか、それとも……真逆、嬉しい?
 部屋に戻り、布団の中で涙を堪えていた私は、それから暫く後に救急車の音に再び飛び起きる事となった。運ばれて行く父の手には既に血の気はなく、取り乱した様子でそれに取り縋って見せる母の姿が、妙に滑稽に映った。

 死因は毒によって引き起こされた呼吸困難。元々、深酒やタバコで身体を傷めてもいたらしい。
 そして問題の毒はと言うと……。
 家の周りが落ち着いた後、私は学校の図書室で植物図鑑を紐解いた。
 
 浅葱:ユリ科の多年草。葉や鱗茎りんけいは食用となる。
 母はこれの鱗茎――玉葱やユリネみたいに短い茎の周りに肉質の葉が付いた地下茎なんだそうだ――を調理して食べさせたと言っていた。けれど、これには勿論、毒は無い。
 と、私の目に、あの日見た鮮やかな紅が飛び込んできた。
 彼岸花:ヒガンバナ科の多年草。全草が有毒。鱗茎は誤食される事もあるので注意が必要。
 有毒――その単語が脳裏で渦を巻く。
 花が好きな母はきっとこの事も知っていたのだろう。そして私はその根っこの付いた儘の花を放置した。あれはどうしたっけ? その夜からの騒ぎで、そんな事は忘れてしまっていた。
 もしかしたら、父への殺意は母の中で以前から燻っていたのかも知れない。でも、明らかに殺人と解る方法で殺せば、自分も捕まり、私の身柄もどうなる事か……。
 だから誤食による事故死を装って……?
 
 母の中の殺意を燃え上がらせてしまったのは、私がこの手で摘んで来た、あの紅い花だったのかも知れない。

                      ―了―

 お彼岸ですから。
 

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プロフィール
HN:
巽(たつみ)
性別:
女性
自己紹介:
 読むのと書くのが趣味のインドア派です(^^)
 お気軽に感想orツッコミ下さると嬉しいです。
 勿論、荒らしはダメですよー?
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